発達障害(ASD)グレーゾーン

うつ病で休・退職した私の決意【余談】旅行前に襲われた私の不安対処法と困った人について

退職後に行きたいと思っていた、
私の好きな作家さんや画家さんの美術館。

期せずして、
定年より10年以上早く退職することになった私が、
早々にその夢を叶えた話は、
こちらに書かせていただいたのですが。

実は。

その行きたかった美術館のうちの1つである、
東山魁夷館に行く前日の夜、
私はある1つの心配を抱えてしまっていました。

東山魁夷館に行ったのは4月中旬のことで、
その時には、
退職後の国民年金加入手続きについては、
入金まで終わらせていたのですが。

長野県にある東山魁夷館に向かう前日の夜、
YouTubeを流しながら、
旅行の準備をしていた私は、

「国民年金加入者が入れる付加年金がいかにお得か」

という話を、
聞いてしまったのです。

4月1日に、
国民年金加入手続きに市役所を訪れた際に、
窓口の担当者から、

「国民年金加入者は400円で付加年金に入れますが」

と説明された時には、
無収入になったのだから、
なるべく不要な支出は避けなければならないと思い、
よく話を聞きもせず、

「加入は要りません」

と断ってしまったのですが。

うっかり聞いてしまった、
YouTubeの付加年金の解説を、
聞けば聞くほど、

「なんてお得な制度なんだ!!」

と感じてしまい。

退職に伴い、
厚生年金を脱退した自分の年金が、
予定より減額されて、
老後の生活が苦しくなることを想像して、
不安を抱いていた私は、

「やっぱり付加年金に入りたい!!」

と思ってしまったのですが。

私の組んでいた旅行日程は、
水曜日の早朝の飛行機で出発し、
金曜日の夜遅くの飛行機で帰ってくるという、
予定だったため。

旅行から帰ってきて、
付加年金加入手続きを行なった場合。

どんなに早く市役所に手続きに行けても、
翌週の月曜日にしか手続きが出来ず。

そうなると。

市役所経由で申請を受けた年金事務所から、
付加年金の振込用紙が私に届くのは、
早くて4月下旬、
遅くなると5月に入ってしまう可能性があり。

その場合。

2年分まとめて払うとお得な前納割引が使えない

ということになってしまい。

これからの無職の時間は、
傷ついて疲れ果てた、
自分の身心を治療することに費やすことに決めた為。

今後は働かず、貯金を切り崩して、
生活する予定であり。

節約出来るお金は、
なるべく節約したい、という思いと。

国民年金と付加年金の納付がズレるのは嫌だ

という思いがあり。
(この時、私はもう国民年金を2年分前納していました)

とうとう、思い詰めた私は。

旅行をキャンセルして、明日、市役所に付加年金の手続きに行こうかな?

などと、考え始めたのですが。

そこまで考えて、私は、

「ちょっと待て。これ、ASDのこだわりが入ってるぞ?」

と感じ、自分を諌めました。

飛行機やホテルのキャンセル代の方が、付加年金の前納割引額より明らかに高額のため、お金のことだけを考えるなら、そのまま旅行に行った方が明らかに良いのです。
頭では、そう分かっているのですが、
国民年金と付加年金はセットで申し込むものなのに(これも思い込み)、万が一、付加年金の納付書が5月に届いてしまって、国民年金の納付方法(2年間前納)とズレてしまったら気持ち悪い
という思いがあり、そんな気持ち悪い思いを、2年後の納付時期まで抱えていたくない、という思いが、金銭面の不安よりも、私の中で大きくなってしまっていました。

自分に冷静になるように言い聞かせ、
自分が今取ろうとしている行動(旅行のキャンセル)が、
合理的では無いと、
頭で理解することは出来たものの。

だからといって、
そこでASDの拘りが収まる訳ではなく。

この気持ち悪さを抱えたまま、
旅行に行っても、
旅行の目的である東山魁夷館の絵を、
ゆっくり鑑賞することは出来ない、
と感じた私は。

この問題解決の方法として。

出来ない理由ではなく、出来る方法を考える

ことにしました。

具体的に言うと。

明日から旅行に3日間行ってしまうから、
付加年金の前納が4月中に間に合わないという、
理由を考える、のではなくて。

明日から旅行に3日間行ってしまうけれど、
付加年金の前納を4月中に間に合わせるには、
どうしたらよいか、と考える。

ことにしたのです。

そうしたら、
あっという間に答えは見つかって。

私は次の日に安心して。

東山魁夷館がある長野県に、
旅立つことが出来たのでした。


(出発前の飛行機を心穏やかに眺め)


(東京から長野に向かう新幹線に乗るのにワクワクし)


(初めて訪れた長野県に感動しました)


(うつ病になってから酷い怠さに襲われるようになったため、長野駅の待合室でちょっと休憩)

長野駅に着いた時間は、
11時18分だったため、
私は午後に行おうとしていた、
付加年金の納付の不安を解決する行動を、
前倒しで行うことにしました。

私が導き出した、
自分の付加年金の納付に対する拘りの解決方法。

旅行1日目は移動日で時間に余裕があるんだから、
長野県で付加年金の加入手続きすればいいんじゃん!!


(訪れた長野南年金事務所。長野駅から徒歩15分程でした)

長野駅から徒歩圏内にある、
長野南年金事務所にたどり着いたのは、
11時43分。

混んでたらイヤだな、
と思いながら入った年金事務所は空いていて、
直ぐに窓口対応してもらうことが出来ました。


(手続きのために自宅から持参した国民年金の納付書)

申請書類を書く時に、
自分の住所を書く欄があったのですが。

私の書いた住所が、
ここの年金事務所から車で15時間、
飛行機でも1時間45分かかる距離だったため。


(Googleマップの、自宅から長野南年金事務所のルート検索結果)

なぜ、わざわざ、
こちらの年金事務所に来たのか、
不審に思われると思い。

窓口対応してくださった職員の方に、
自分から、

「旅行に来ているのですが、
自宅に帰ってから年金事務所で手続きすると、
4月中の納付に間に合わず、
2年前納出来ない可能性があるため、
旅行先で手続きすることにしました」

と説明したら直ぐに納得してくださり。

「ではご自宅の住所が遠いので、速達で付加年金の納付書をお送りした方が良いですか?」

と、ご提案までしてもらえ、
スムーズに手続きが進み、
12時には年金事務所を出ることが出来ました。

お陰で、
次の日訪れた東山魁夷館は、
併設された長野県立美術館まで、
何の憂いもなく楽しむことが出来ました!


(東山魁夷館の屋上から、有名な善光寺を臨んだ景色)

で、本当は。

ここでブログ記事を終わらすつもり、
だったのですが。

今、この時のことを振り返って。

長野南年金事務所の方に、遠くの住所まで、月末に間に合うように納付書を送ってもらうために、速達料金を使わせてしまったのは、申し訳なかったかな

と感じた思いと。

最近、巷をざわつかせていたこの本が、

私の頭の中でリンクして。

職場の「困った人」をうまく動かす心理術 (三笠書房 電子書籍)

この本で書かれている困った人のタイプに、

  • すぐにキレる!こだわり強めの「ASD」
  • 実は能力が高い!?自由気ままな「ADHD」
  • ストレスやホルモンバランスの影響で心身が不調になる「疾患」【うつ】

というものがあり。

この3つは(AD/HDは弱目かもしれないけど)私も該当しているため、
当事者として、
ちょっと所感を書いてみようと思ったため、
追記しています。

まず。

私が今回、
自分の拘りを満足させるためにとった、
全く自分の住所と関わりの無い、
年金事務所で手続きを行なった件について。

きっとASDの私ほど、
拘りも不安感もない定型発達者の方ならば、
何も旅行先まできて、
付加年金の手続きをしなかったのではないか、
と思います。

そう思うからこそ、
私も自分の拘りを満足させるために、
長野南年金事務所の方に、
速達料金を使わせてしまったことについて、
申し訳ないかな、
と感じたのだし。

でも、これ。

私なりに考えてとった、

社会との妥協点

だったりします。

子供の頃に、
友達にお願いして普通を教わるほど、
普通というものが分からなかった私は、
大人になった今でも、
人との関係性や距離の取り方が分からないため、
人に何かをお願いするのは苦手なのですが。

30年間培ってきた社会人経験と、
人事労務業務に携わってきた知識から、

業務上、ここまでは許されるだろう

という分岐点は、
何となく察することが出来ます。

で、今回のことは。

私の中でお願い出来る範囲のことだったため、
実行した訳ですが。

人によっては、
今回とった私の行動を評して、

「面倒くさい人」=「困った人」

と感じることもあるだろうな、と思います。

私が職場で嫌われていたのも、

出来ること(やれないと法律や規則で決まっていること)以外は面倒でもやる

という私の業務姿勢が、
煙たがられていた、というのも理由の1つだったので。

職場の先輩から、

あなたの言う事は正論だけど逃げ道がなくて相手は辛い

と言われたこともあり、
言われた当時は、
正論がなぜ責められるのか分からなかったけど、
(だって正しいと相手も認めてるのに!!)
私のASDに起因するこのような性質が、
一般社会の俗習に馴染まないための発言だったと、
今では理解出来るし。

でも、私、
キレてません。

正確には。
自分の考え方や感じ方が人に受け入れられず、
物事が自分の思った通りにならなくても、
キレなくなりました。

キレて泣き喚いても物事は自分の思った通りにはならないし、
かえって状況は悪化してしまうことを生きてきた中で学習したから。

自分の人生経験から学べるということは、
知能的なものが関係しているかもしれないけれど。

50歳過ぎまで生きてきた、
ASDでAD/HDでうつ病の私は、
自分の中の拘りや衝動や不安感と、
社会が受け入れてくれる範囲で折り合いを付け。

困った人にならないように生きています。

私も自分の父親が、
自分勝手ですぐキレて暴れる人間だったため、
どんなに困った人が迷惑な存在か、
身をもって体験しており、

あんな人にはなりたくない

という気持ちを持っているからです。

そして、出来るなら。

自分の存在を社会に受け入れてもらいたいからです。

そんな思いを抱えている私は。

この本に対して、騒ぎ立てようとは思いませんでした。

困った人に困らされていた私は、

ストレスにならない対処の仕方があるなら教えて欲しい

と思っていたから。

そして、人口の大多数を占める、
定型発達者の人達が。

どんなことを困った人と感じるか教えて欲しい
(どんな人ではなく、どんなことと記載するのは、私の拘り)

と思ったから。

基本的な思考が相違している相手の、
思考を理解することは、
きっとコミュニケーションに役立つはずで。

この本が注目を集めることで、
相互理解に役立つのなら、
それは良いことではないか、と思うのです。

ただ、
困った人であり、困らされていた人でもある私の、
ここからは本当に私的な意見。

そんな分類で一括りに対処出来るなら、
私は50年近くも悩み苦しんだりしてないけどね!!

ここまで、読んで下さった方がいましたら、
長々とお付き合いいただき、
本当にありがとうございました。