社会との関わり方

ASD(自閉症スペクトラム/旧アスペルガー症候群)のこだわり特性を緩和する方法

私は発達障害グレーゾーンの人間です。
今は自閉症スペクトラムという呼び方に、
統一されましたが、
以前はアスペルガー症候群と呼ばれていた、
性質を持っています。

私を含め、アスペルガー症候群の人達は、
次にあげる
「3つ組の特性」というものを持っています。

【社会性の特性】
社会意識が低く、社会常識やマナーが身についていない。

【コミュニケーションの特性】
相手が言っていることを正しく理解できず、
自分の思っていることを相手に上手く伝えられない。

【想像力の特性】
想像力が弱く、予定外の出来事に対応できない。
規則や正確な数値を覚えると、それを絶対視する傾向がある。
時間や決まりに対して頑固な態度を取るため、
周囲にはこだわりの強い人と思われる。

大人のアスペルガー症候群 (こころライブラリーイラスト版)より一部抜粋

私が社会で生きていく時に、
人と揉める原因となり、
生きていくのが辛いと一番感じたのは、
最後の【想像力の特性】からくる、
こだわりの強さでした。

世の中の多くの人間は、
物事に白黒をつけない、
曖昧なままの事象も、
受け入れることが出来ますが、
アスペルガー症候群の人間には、
その曖昧さが許容できません。

「なぜ、どうして、そうなるのか?」

その理由が分らない、
又は決まりと違う出来事を受け入れる事が、
その特性上出来ません。

けれど、皆んなが曖昧にしている事象を、
追及することは、
物事をうやむやにしておきたいと考える、
多くの人達にとって、
かなり煙たがられ、嫌がられます。

私は人にそうやって嫌われる自分が辛くて、
自分も皆んなを真似て、
曖昧な事象を受け入れようとしましたが、
本心と違う事をする為に、
心臓が痛く苦しくなり、
激しい無価値感に襲われて、
死にたくなってしまう状況に陥りました。

このこだわりを捨てることは、
性質上、
本当に出来ないのです。

でも、私が今勤めている営業所にいる、
お局部下のように、
自分がその場所の女王様だと思っている、
人間に対しては、
この性質を持っていると、
上手に付き合っていく事が出来ません。

自分達の誤りや、
矛盾を認めない彼女達にとって、
私が自分のこだわりの特性のままに、
彼女達の誤りや矛盾を追及していく事は、
彼女達にとっては、
自分への敵対行為として映るからです。

私の方にあるのは、
正しい事を知りたいという思いだけなので、
そのような意図は全くありません。
だからこそ、彼女達の私への嫌がらせに、
とても傷つくのです。

自分の特性として、
物事の正しさにこだわるのは止められず、
だからと言って、
お局部下とは良好な関係を築きたい。

この、相反する、
自分の願いを叶えたいと思った時に、
私が考えついたのは

「物事の優先順位を決める」

という方法でした。

私には、
発達障害脳をアートで改善する
という目標があります。

仕事をしてお金を稼ぐのは、
その目標を達成するための手段です。
絵画教室に通いながら生活するには、
お金が必要なので、
今は会社に所属して、
お金を稼ぐ必要があるから働いています。

それなのに、
目標を達成するための手段である職場で、
発達障害の特性であるこだわりを発揮して、
お局部下と揉めることで、
絵画教室に通う、
時間と気力と体力を奪われる事は、
私にとって本末転倒なものでした。

だから私は自分の中でルールを決めたのです。

「自分の目標達成を最優先する言動を行う」

それは、お局部下の誤りや矛盾を、
追及しない事と同じ意味を持ちました。
お局部下と敵対し、自分が疲弊する事は、
私の人生の第一目標である
”発達障害脳をアートで改善する”
という思いと、
整合しなくなるからです。

そう思ったら、
仕事にかける熱量は自然と減っていき、
熱量が減った分だけ、
更に仕事に対するこだわりも、
減っていきました。

関心が「仕事」から「絵を描く事」に移ったからです。

アスペルガー症候群の人間は、
興味のないことには関心を示しません。
そして、関心の無い事には、
こだわりは持たないのです。

そうは言っても
、私にはアスペルガー症候群特有の、

「決められた事を決められたとおりにやる」

という性質は残っているので、
全くいい加減な仕事を、
している訳ではありません。
それでも、自分では、
かなり適当になったと思う仕事ぶりは、
周囲の人間から言わせると、
まだまだ真面目に働く人間の部類のようです。

だから私達、
発達障害グレーゾーンの人間は、
安心して、
仕事に対するこだわりを、
なくしていっていいのです。
どうせ、その性質上、
真面目にしか働けないのだから。

自分のこだわりで周囲との軋轢を生み、
人間関係で悩んでいる方は、
一度じっくり考えてみてください。

「自分がこの人生で一番優先したいことは何なのか?」

その、自分が人生で、
一番優先したいことに一番にこだわる事が、
あなたが発達障害グレーゾーンのまま、
幸せになれる最善の方法なのだと思います。