セラピー/カウンセリング

日本人の一般的な物事の捉え方と違っていた発達障害グレーゾーンの私の思考

私は以前から通っていた、
有名な発達障害専門カウンセラーさんから、
インターネットで知った、
無名な発達障害専門カウンセラーさんに、
カウンセリングを受ける相手を変更しました。

その理由は、
人気で、辛い時にすぐに予約が取れなくて、
相談出来ないカウンセラーさんよりも、
自分が本当に苦しい時に、

すぐに相談できる相手

が欲しかったからでした。

発達障害グレーゾーンの私には、
私の話に共感してくれる人も、
悩みを話せる人もいない為、
本当に苦しくて苦しくて、
心が壊れそうになった時に、
お金を払ってでもすぐに誰かに助けて欲しい、
という思いがあったのです。

そのため、
飛行機でなければ会いに行けない
東京のカウンセラーさんから、
高速バスで2時間で会いに行ける、
福岡の発達障害専門カウンセラーさんに、
変更したのですが、
今回のカウンセラーさんは、
以前のカウンセラーさんとは違い、
認定心理士であるため、
方針に違いがありました。

東京のカウンセラーさんは、自身も発達障害であり、そんな自分の生きづらさを自分で克服した経験に基づいて生活指導といったアドバイスを行っており、心理学を修めた方ではありませんでした。

変更された方針は…

  • 発達障害を「改善」するから「克服」するへ
  • 生活習慣の見直しから、心理面からのアプローチへ

といったところ。

そして今日は、
発達障害専門カウンセラーさんを、
変更してから初めての、
本格的なカウンセリングを受ける日でした。

今日受けた内容は、
カウンセリングというよりは、
発達障害克服のための、

一般的な物事の捉え方についての学習

でした。

カウンセラーさんは、
私の目の前に、
1枚の絵を出してきて聞きました。


(この写真は実際に見せられた絵とは違います)

「この子供が遊んでいる絵をみてどう思いますか?」

私は質問の意図がよく分らず、
そのまま答えました。

「子供が遊んでいると思います。他には特に何も思いません」

すると、それは、
一般的な答えではなかったようで、
カウンセラーさんは、
更に質問をしてきました。

「この子は今、どんな気持ちだと思いますか?」

私はそう言われて、
もう一度絵をみて答えました。

「表情が分らないので、どう思っているかは分りません」

これもカウンセラーさんが、
欲しい答えでは無かったのか、
カウンセラーさんは、
更に別な質問をしてきました。

「では、あなたはこの子供をみてどう感じますか?
悲しいとか嬉しいとか、今感じる感情をそのまま答えてください」

そう言われて、
私は自分の心に浮かんできたことを、
答えました。

「小学校に上がってからは、沢山の子供の中に一人でいたら寂しかったけれど、
私は小学校に上がるまでは、一人遊びがとても楽しかったので、
楽しいのではないかと思います」

そのように答えたら、
カウンセラーさんは口を開きました。

「欧米の人達はあなたのように答える人が多いのですが、
この絵をみたら日本人の7割から8割は”1人で可哀そう”と思うんです

私には、その答えが、
不思議でたまりませんでした。

「可哀そうかどうかは、本人に聞かなければ分らないじゃないですか」

カウンセラーさんは、
私の疑問に頷きながら答えました。

「そうですね。でも人は自分の過去の経験に基づいて現状を認識します。
日本人はそう感じる人が多い、ということです」

まだ納得いかない私に、
カウンセラーさんは、
他の事例を挙げて説明してくれました。

「あなたは人を遊びに誘って”無理”って言われたら、そのまま受け取りますよね?」

この質問も、
私には不思議に感じられました。

「はい、だって本人が無理って言うんですから」

カウンセラーさんは大きく頷きながら、
こう言いました。

あなたは言葉を額面通りに受け取りますが、多くの人はそうでは無いんです。
これも日本人の7割から8割の人間が、何かしら言葉の裏を勘繰ってしまうんです」

私は驚いて、
カウンセラーさんに言い返しました。

「だって本人がそう言ってるんですよ?
勘繰ったって相手の本心なんて分る訳ないじゃないですか」

カウンセラーさんは、
また頷きながら、
一言一言、
言い含めるように私に言いました。

「皆んながあなたのように、思ったことをそのまま口にしている訳ではないんです。
日本ではあなたのように考える人は、2割程度の少数派なんです」

私はその言葉がとても衝撃的で、
言葉を失ってしまいました。

思っていることと、
言っていることが違う人達がいることは、
私も知っていました。
でも、自分と同じような言動をとる人が、
そんなに少ないとは、
思ってもみませんでした。

「欧米では、あなたのような人が多くなるんですけれどね」

驚いて何も言えないでいる私を、
フォローするように、
カウンセラーさんが言葉を続けました。

あなたの考え方に無いものが日本では主流だから、
あなたは自分と違う考え方をする相手の事が理解出来なくて
相手も自分と違う考え方をするあなたの事が理解できなくて
そしてお互い自分の考えが正しいと思って揉めてしまうのです。
相手を変えることは出来ないので、
あなたが相手の物事の捉え方を知ることで、
人とぶつからずに生きていくことが出来ます」

自分の物事の捉え方や考え方が、
人と違うことは感じていました。

でも、人と揉める原因が、
それだと言われたら、
あまりにも、
自分の根幹をなしているものすぎて、
私は自分を否定されたかのように感じて、
涙がでてしまいました。

そして私は決して、
自分の本意と違う言葉を口にする、
彼女達のような裏表のある人間に、
なりたくはないのです。

彼女達のようにならないと、
平穏に暮らせないなら、
今のままの、
人と揉めても、
自分の正しいと思う行いが出来る、
自分でいたい、
そんな風に思いました。

悲しむ私に、
カウンセラーさんは言ってくれました。

「大丈夫です。わたしはあなたの率直なところが好きです。
あなたに変わって欲しいと思っている訳ではありません
ただ、あなたが人とぶつからない術を学んでほしいだけなのです」

そして、こう付け加えました。

「わたしも、あなたのように思ったことを口にする人間でした。
人から性格がキツイって言われてました。
でも、このスキルを学んで生きやすくなったんです」

カウンセラーさんの、
”生きやすくなった”の言葉と、
”変わって欲しいと思っている訳ではない”
という言葉に、
私はようやく顔をあげました。

自分の思ったことをそのまま口にし、
相手の言葉をそのまま受け取る、
発達障害グレーゾーンな自分を、
私は気に入っていて、
変わりたくはありません。

でも、そのままの自分で生きていると、
人との軋轢を生むのは確かでした。

どちらか、ではなく、
その中庸を生きる道があるのなら。

やってみよう、と、
カウンセラーさんの言葉に、
思うことが出来ました。