回想録

他人から言われて気付いた『私の生命が脅かされていた』事実

手作りハンバーグ

10日間のセラピー講座を受けた初日、
私はオープンセッションで、
毎日お父さんから

「ご飯のおかず」

を取られていたことを話しました。

理由は…
お父さんが子ども用のおかずも、
食べたかったから。

小さかった私とお兄ちゃんは、
お父さんのおかずとは違う、
子ども向けのおかずを、
出してもらっていました。

お父さんがお刺身を食べていたら、
私たち子どもはハンバーグ、
みたいな。

お父さんはそれが嫌で、
両方食べたくて、
自分が好きなおかずが、
子ども達に出されると、

「じゅん、もう要らないだろう、
お父さんがもらってやる」

などと適当なことを言って、
まだ食べたかった私のご飯のおかずを、
勝手に取り上げて、
でも私は、
自分の思い通りにならないと暴れる、
お父さんが怖くて嫌と言えなくて、
ただ目の前のお皿から、
勝手に取られて、
食べられていくおかずをみて、
悲しくて泣いていました。

それに気づいたお母さんが、
お父さんを怒ると、
お父さんは

「じゅんは嫌だと言わなかった!!」

と言って怒鳴って、
気に入らないからと、
ご飯の載っていたコタツごとひっくり返して、
ご飯やおかずは、
割れた茶碗や皿と混ざって、
食べられてなくなって、
更に怒ったお父さんから、
私とお兄ちゃんとお母さんは、
家を追い出されて、
お父さんの気が済んで、
お父さんが追い出した私たちを、
探しにくるまで、
暗い人さまの家の間にある階段に、
親子3人じっと座って、
待っているということを、
ほぼ毎日繰り返していました。

私をかばってくれていた、
お母さんからも、

「ちゃんとお前がハッキリ言わないとからだ」

と怒られて、
おかずを取られることがなかった、
お兄ちゃんからは、

「お前のせいでうちの雰囲気が悪くなる」

と責められました。

そして、私はまた泣きました。

私はすぐに暴れて、
家族に手を上げはしないものの、
家中の物を壊して怒鳴り散らす、
お父さんが怖くて、
反論出来ないのも勿論ありましたが、
お父さんが怖すぎて、
お父さんに何か言おうとすると、
喉の奥が腫れたように詰まって、
声を出すことが、
本当に出来なくなっていたのですが、
小さかった私は、
なぜそんな状態に自分がなるのか分からず、
お母さんに、
自分の状態を説明することも出来なくて、
ただ泣くしかありませんでした。

「ご飯くらいで泣くな!!」

その言葉を真に受けて、
自分はご飯くらいで泣く卑しい人間だと、
かえって自分のこのエピソードを、
恥ずかしいものだと思っていました。

あんなに、
私の子どもの頃の状況を聞いた、
セラピストさんが

「ご飯は大事!!」

と言って、
うちの父親に対して怒ってくれていたのに、
当の私はそのセラピストさんをみて、
食い意地が張ってるように感じて、
ヘラヘラ笑っていました。

でも、今朝、突然思いました。

「ご飯は大事だから!
食べないと死んじゃうから!
生命に関わる問題だから!」

お腹が空いても、
食べ物を与えてもらわなければ、
自分でどうすることも出来ない、
小さな子どもだった私から、
食べ物を取り上げるなんて、
それこそ生命を脅かす行為だったのだと、
ようやく怒ってくれていた、
セラピストさんの気持ちが分かりました。

そんな気持ちに気付かずに、
逆に食い意地が張ってるなどと思って、
ヘラヘラ笑ってしまうくらい、
私は自分を大事にする感覚が、
薄くなってしまっていたのだ、
と思いました。

私が何の力もない子どもの頃、
抵抗出来ないと分かっていて、
ご飯のおかずを取り上げていた父親も。

言い返せない私を、
怒って泣くなといった母親も。

私が泣くから、
家の雰囲気が悪くなると、
私を責めたお兄ちゃんも。

私1人に我慢を強いて、
家族の平和の犠牲にしないで!!

オープンセッションで、

「あなたを犠牲にして家族が成り立っている」

と言われて、思わず

「家族の役に立てていたなら良かった」

と応えた私。

「あなたはそれでいいの?!」

と何度も繰り返す、
セラピストさんの言葉が、
私は理解出来ませんでした。

でも、今なら、
何度も私の気持ちを確認した、
セラピストさんの思いが分かります。

私は人の役に立たなくても存在していい!!

だから、

犠牲になってもいいなんて、
まず私が思わないで!!

そんな悲しい存在で、
本当にいいと思っているのなら、
心理セラピーの講座になど、
来ていないのだから。

人の犠牲になる人生が嫌で、
自分の人生を生きたくて、
この講座に来たのだから。

だから助けて!!

オープンセッションで怖がる私に、

「自分から助けを求めなさい」

と言ったセラピストさん。

「助けて…」

ようやく小さな声で言った私を、
ちゃんとしっかり抱きしめてくれた、
アシスタントさん。

助けてくれる人がいる、
助けを求められる場所はあるから。

私が無意識の中に、
抱え込んでしまっている要らない想い、
ちゃんと、
この10日間の講座で吐き出そう。