機能不全家族の中で育ったり、
親からの虐待にあったりした経験がある方は、
「自分は子供を愛せないのではないか？」
と考えてしまい、
自分が＂子供を持つ＂ということに、
不安を感じてしまう人が、
多いのではないでしょうか？
私もそう考えましたし、
私の娘も、そのように感じていたようでした。
私は娘に対して、
虐待をしたことは無いと思っています。
けれど娘の視点からみると、
働いてばかりで、家事が苦手で、
至らないところの多い母親だった為、
娘が子供の頃は、
充分な愛情をもらっていないと、
寂しい思いをさせてしまったことが、
何度もあったようでした。
私自身も、
アットホームな家庭の愛情は、
知らなかったため、
自分なりの、
精いっぱいの愛情を娘には注いでいても、
娘が憧れる友達の家庭のような、
家族の団らんを与えてあげることは、
出来ませんでした。
そのため、娘自身も、
他所のお家の子供と比べると、
割とクールな子供だったらしく、
自分は暖かい家庭で育った友達のように、
子供に愛情を注ぐことは出来ない、
と考えたようでした。
でも、私の不安も、娘の不安も、
結局、杞憂に終わりました。
私はASD（自閉スペクトラム障害）の
グレーゾーンのため、
抱擁力のある母親ではありませんでしたが、
機能不全家族の中で育ったお陰で、
子供がどんなことをされると悲しいか、
どんなことをされると嬉しいか、
たくさん、たくさん経験していたので、
ASDの特性として、
人の感情を読み取ることが苦手でも、
自分の子供が悲しまないような、
自分の子供が喜ぶような、
そんな言動を取ることが出来ていました。
そして私の娘 は、自分の友達皆んなから、
「あんなにクールだった子が、
赤ちゃんにデレデレしまくってる」
と言って笑われるくらいの、
親バカぶりを発揮するほど、
赤ちゃんを溺愛している、
お母さんになりました。
私も娘も、
子供を育てるまでは不安でしたが、
ちゃんと子供に対して、
愛情を持つことが出来ました。
そして、私は思ったのです。
「自分は子供を愛せないかもしれない」
そのことで悩むこと自体が、
もう子供への愛情なんじゃないか、って。
生まれてくる子供を、
愛してあげたい、幸せになって欲しい、
そんな風に思う気持ち。
そこにはやっぱり、
愛情が見え隠れしていて。
そんな風に思えるあなたは、
すでに子供を愛しているんじゃないかって、
私には思えるのです。
ただ、自分がちゃんと、
愛してもらったことがないから、
愛し方が分からない。
でもそれはただ、
方法が分からないだけだから、
知っている人に教わればいいだけの話。
初めてで不安なことは、
自分１人で頑張る必要はなくて、
人に頼って、助けてもらえばいいのです。
私は０歳児の子供を育てている時に、
どうやって可愛がってあげたらいいのか、
分からなくて、
保育園のベテランの先生に、
よく教えてもらっていました。
その保育園の先生は、
私が自殺未遂した理由もご存知で、
私の子供だけでなく、
私のことも気にかけてくれて、
とても親身に、
色んな相談に乗ってくれました。
子供が小学校に上がる時には、
PTAなどで一緒になる、
優しいお母さんの様子を観察して、
言動を真似したりしていました。
見よう見真似の愛情表現だったとしても、
そこに込めていた気持ちは本当でした。
だから、もし、
子供を愛せないかもしれないと、
あなたが不安に思っているなら、
「大丈夫だよ」
と、あなたに伝えたいのです。
そう思うあなたの心の中に、
すでに愛情はあるのだと思います。
