(前回からの続きになります)
娘の活躍のお陰で、
兄が少しだけでも、
母の容態を気にかける様子を見せたため、
少しだけ、留意を下げた私は。
コロナ禍真っ最中で、
県を跨ぐ移動も控えるよう、
国から言われていた時期だったため、
病院から渡された入院のパンフレットにも、
「県外の人の面会は出来ません」
と書かれていたのですが、
母の入院を聞いて真っ先に、
県外に住んでいる娘が、
母のお見舞いに行きたいと言ってくれたため、
何とか、
その気持ちを汲んあげられないかと、
病院に相談したところ、
面会を希望する人(娘)から、
直接連絡して欲しいと言われ、
その時に、
病院から教えてもらった、
会わなくてもお見舞いが出来る方法
を、
娘だけではなく、
兄にも教えてあげることにしました。
その、教えてもらった、
会わなくてもお見舞いが出来る方法、とは。
病院が用意している、
お見舞い用のメールフォームに入力して送信し、
病院が届いたメールを印刷して、
入院している患者さんに渡してくれる、
というもの。

病院の診察を受けて、
そのまま、
入院することになってしまった母は、
色々、
やり残していた家のことが、
気になっているのではないかと思い、
私は、このお見舞い方法を、
病院から教えてもらってすぐ、
母に、
「やり残してあった家のことは、
私がやっておいたから大丈夫だよ」
と、
母が確認出来るように、
やり終わった後の写真まで添付して、
母にお見舞いメールを送りました。
仏壇の花や、神棚のお水やお酒を毎週替えていることや、暖かくなってきたので母の家のコタツを片付けたことなど、母が気にするようなことはその都度、メールで報告していました。
娘もお見舞いメールの存在を知ってすぐに、
なぜか入力エラーになると言って、
何度も苦労しながら、
母に孫(母にとってはひ孫)2人の写真を添付して、
メールを送ったと教えてもらいました。
(その後も何回か、メールを送ったようでした)
そして兄は、
いつ送ったのかは知りませんが、
自分の1人息子の写真を、
1回は母にお見舞いメールで送ったと、
随分後に知りました。
母のことを、
とても大切に思ってくれている娘は、
母との面会にも積極的に動いてくれて、
母が入院して1週間後には、
病院と面会の調整をつけたと、
私に連絡してきてくれました。
ただ、やはりコロナ禍が影響していて、
入院患者との面会は平日のみで、
専用の面会室でガラス越しに行われること、
一度に面会室に入れるのは3名迄であること、
高校生以下は面会室に入れないこと等を、
病院側から言われたと教えてくれ、
「旦那とユウ(上の孫)とナナ(下の孫)と、
一緒におばあちゃんの面会に行こうと思ってたけど、
ユウとナナを旦那に預けて、
私が1人で面会するしかないよねぇ」
と、
娘はとても残念そうに言いました。
その、残念な気持ちは、
私にもよく、理解出来ました。
この時、上の孫は3歳で、
下の孫は1歳という、
とても可愛い盛りで、
入院生活を頑張っている母に面会に行って、
一番喜ばれるのは、
きっとこの、
孫2人だと思ったからでした。
しかも、孫2人だけでなく。
娘の旦那様も一緒という、
娘の家族総出でお見舞いに来てくれたなら、
母は自分が大切にされていると感じて、
とても喜ぶであろうことは、
容易に想像することが出来ました。
そのため、私は意を決して、
娘にこう、伝えました。
「あなたとあなたの旦那様が、
おばあちゃんと面会している間、
ユウちゃんとナナちゃんの面倒は私がみるよ」
それは言外に、
娘家族が母と面会するために、
私が仕事を休むと言っているのと、
同じ事だったため、
私が母の入院で仕事を休んだ後、
昼休みも休めないくらい、
多忙だったことを知っている娘は、
最初は遠慮していましたが、
「私も孫たちに会いたいから」
という言葉を伝えると、
私に甘えて、
孫2人を預けてくれることになりました。
娘は自分の面会の調整が終わってすぐ、
面会の調整の要領を、
やはり県外に住んでいる、
兄に伝えたそうなのですが、
この時までに、
兄が病院と、
母との面会の調整をすることは、
ありませんでした。
それなのに不思議だったのは、
兄の私に対する連絡で、
兄は母との面会の調整はしないのに、
いっこうに、
母の入院費用の請求をしない私に対し、
お金を渡したいから日曜日に会えませんか?
土曜の夜に実家に泊まりたいので、家の鍵を借りることは出来るでしょうか?
と、
ショートメッセージを送ってきました。
(実家の鍵は母が入院する以前から、
何かあった時のために、
母から私に預けられていました)
私は毎週土曜日の夜、
実家の維持管理のために、
実家に宿泊していましたが、
たまたま兄が指定してきた日曜日は、
午前中、自分の通院の予約が入っていて、
(日曜日に診察してくれる、稀有な病院でした)
ちょうど実家に泊まれない土曜日だったことと、
日曜日の午後は、
病院から真っ直ぐ、
絵画教室に行くことになっていたことから、
次の3点を兄に伝えました。
- 車で実家から1時間強かかる私の家まで鍵を取りに来てくれて、また帰る時に鍵を返しにきてくれるなら、兄が実家に泊まるのは可能なこと
(鍵をそのまま兄に渡しっぱなしにしたら、毎週行っている家の維持管理が出来なくなるため、私の代わりに兄が実家の維持管理を実施しないのなら、鍵の返却は必須) - 日曜は午前中に病院に通い、午後から用事があるため、私が兄と会うのは難しいこと
- お金の件は急いでいないので、どうせこちらに帰ってくるのだったら、平日に休みをとって母の面会をしたらどうか、ということ
(兄が面会をするのなら、同じ日に私も仕事の休みを調整して、一緒に母に面会し、その後に母の入院費用の話を含め、私と話し合うことを提案)
兄のお嫁さんは、
兄と結婚してから実家に泊まったのは、
結婚当初の1、2回のみで、
お正月も、
兄がいつも1人で実家に帰ってきて、
後から新幹線で、
お嫁さんと息子は一緒にやってきて、
数時間、実家に滞在したら、
すぐに自宅に帰ってしまっていたため、
今回の、
兄の私に会いにきたいという申し出も、
私から兄に対する母への面会の提案も、
どちらも、
動くのは兄1人だけだと分かっていたため。
娘家族が母と面会する時には、
私も仕事を休むけれど、
母と面会することは出来ないと分かっていた私は、
どうせ別な日に、
母と面会をしたいと思っていて、
平日休みを取ろうと思っていたことと。
悲しいけれど、
やはり私より兄を大切に思っている母のところに、
私だけで面会に行くよりも、
全く母との面会を実施しようとしない、
兄を一緒に連れて行く方が、
母が喜んでくれるだろうと思い。
病院からは、
面会を希望する人が、
面会の連絡をするように言われていたため、
母と兄の面会を実現させるためには、
兄自身に動いてもらわなければ、
いけなかったけれど、
兄と私が一緒に母に面会をするならば、
私が母と兄の面会のお膳立てをしても、
大丈夫だと思い、
これなら、
自分で動かない兄の母との面会が叶うと、
そう提案したのでした。
兄は私からの、この提案を呑み、
その後、なんと自分で、
病院に面会の連絡をしてくれました。
兄が母との面会を実施することになったのは、
7月中旬のことで。
母が入院した5月末の時点では、2、3ヶ月の入院と言われていましたが、母の治療は6月で終わり、その後はリハビリに励んでいたものの、7月の時点ではまだ、退院の目処は立っていませんでした。
私は兄が母との面会を行う日に、
合わせて仕事の休みを取ったのですが、
面会日の10日前になって、
兄が私も一緒に母に面会をすると、
病院に連絡していないことを知り。
慌てて病院に連絡したところ、
「県外の方と県内の方が一緒に面会することは、許可していない」
と言われてしまい。
(私は母と、母が入院した病院と、
同じ県に住んでおり、
兄は他県に住んでいました)
結局、私は、
兄が母と面会する日は、
兄と話し合う約束をしていたので病院には行くものの、
平日にしか会えない、
病院で母の担当をしているケースワーカーさんと、
今後の話をするだけに留め、
面会室には入らないこととなり。
母と面会するために、
また別の日の平日に、
仕事の休みを取らなければならくなったのでした…
世界から孤立していた私の話10〜勘違いしてしまった母との面会に続きます。