私の成育歴

マルトリートメントと私47.読み違えた対応

怒る中学校男性教師
私がなぜ、自分の生育歴を振り返るようになったのかは、私が自分の成育歴を振り返ることにした理由をご覧ください。
私の成育歴の記事一覧は、愛着障害に関する成育歴にあります。

※自分の記憶に基づいて書いているため、事実と違っている可能性があります。

中学生になると、
1学年1クラスだった小学校時代から、
さすがに人数が増えて、
1学年2クラスになりました。

2分の1の確率だったからか、
私はすーちゃんと同じクラスでした。

私は、そのことに安堵しました。

また裏切るかもしれない存在だ、
と思っていても、
同じクラスに、
友人と呼べる人がいることは、
ほかに3つの小学校からも、
入学してきて、
知らない人も多い教室の中では、
かなり心強いことでした。

私は小学校に入学した時には、
教室の生徒全員が、
自分の敵だと、
感じたことがあったため、
私は中学校の入学の時は、
なるべく目立たない存在でいようと、
そう思っていたのですが。

その目論見は、
初日で失敗してしまいました。

その出来事は、
担任の先生が学級委員を決める時に、
起こりました。

担任の先生は、
教壇に立つとこう言いました。

「今からこのクラスの委員長と副委員長を決めなければならないが、
皆んなまだお互いのことを知らないだろうから、
最初の1学期だけは私が決めることにする。
名前が呼ばれたものは立つように」

そして先生はまず、
私の知らない、
よその小学校からきた男の子を、
委員長に指名しました。

そして、その後に、
何とその先生は、
副委員長として、
私の名前を呼んだのです。

委員長に指名されて、
すぐに返事をして立ち上がった、
男の子と違い、
小学校時代に、
問題児として認識されていた私は、
このような役員決めの時に、
自分の名前が呼ばれるなどとは、
全く考えておらず、
そのため名前を呼ばれた私は、
かなり慌てて、
席から立ち上がりました。

先生は立ち上がった私と、
もう1人の男の子を見て、
こんな風に言いだしました。

「嫌なら断っても構わないんだぞ」

私は先生のこの言葉に、
とても驚きました。

先生からの指名に対して、
私達生徒には、
拒否権は無いものだと思っていて、
名前を呼ばれた私は、
副委員長をやることに決定したのだと、
思っていたからです。

ちょうど私はこの日より前に、
兄から私に対して、
このような女を馬鹿にしたような発言を、
受けていました。

「俺のクラスで学級委員を決める時に指名された女子が、
"私はやりたくありません"といって泣き出して迷惑した。
女は泣けば済むからいいよな」

まだ中学校に入学もしていなかった私に、
なぜ兄が、
こんな話をしたのかは分かりませんが、
学級委員に任命された訳でもない、
今まで学級委員の仕事をしたこともない、
その他大勢の兄が、
なぜこんなに偉そうに人を批判出来るのか、
なぜ女子を、
ここまで見くびった発言を出来るのか、
私は不愉快でたまりませんでした。

だから私は、
担任の先生から、
副委員長として指名された時に、
やるつもりでいました。

けれど、何度も繰り返される、

「やりたくないなら断っていいんだ」

という担任の先生の発言に、
私は混乱してしまいました。

私はこの頃にはすでに、
ASD(自閉スペクトラム症)で、
人と違う言動をしてしまう、
自分の意思を押し殺し、
大人達が望む普通の子を演じることを、
常に心がけていたため、
私は自分の心の中の、
兄に女を馬鹿にされたくない思いから、

「副委員長を引き受ける」

という気持ちよりも、
先生が何でこんなに繰り返し、
断っていいと言い続けているかの、
真意を優先しようと思いました。

そして私は、
自分で指名しておきながら、
断っていいと言い続ける先生は、

本当は私に委員を断って欲しいのではないか?

という考えに至ったのです。

そうでなければ、
自分が決めると指名しておきながら、
断っていいと言い続ける意味が、
私には理解出来ませんでした。

そのため担任の先生が、
委員長に任命された男の子と私に対して、

「断っていいんだぞ、どうする?」

と言ってきた時に、
私は恐る恐るこう答えました。

「替えていただけますか?」

私がこの発言をした時に、
クラスがざわつきました。

そして、それまで、
厳粛な面持ちで話していた、
担任の先生が、
顔を赤くして声を荒げてきた時に、
私は自分が、
先生の言葉を読み違えたことに、
気づきました。

先生は私に向かって語気を荒くし、
指を指しながらこう言ってきました。

「お前が断った仕事は、クラスの誰かがしなきゃいけないんだ!
お前はそれを人に押し付けていいのか?!」

もちろん私は、
自分以外の誰かに、
仕事を押し付けられたらいいと、
考えてなどいませんでした。

私は最初に先生から指名された時に、
副委員長をやるつもりでいたし、

"替えてもらえますか?"

と言ったのは、
あまりにしつこく

"断っていい"

と言ってくる担任が、
本当は私に、
断って欲しいのではないかと、
妙な気を、
きかせてしまったからでした。

私はまた、少し怯えながら、

「じゃあ、やります」

と答えたのですが、
やっぱり私には、
断っていいとあんなに散々言いながら、
実際に断ると怒り出す、
先生の考えは分かりませんでした。

今考えるとこの先生は、
自分の真意を伝えることなく、
遠回しに自分の思い通りの言葉を誘発しようとする、
ASDにとって非常に厄介な人間だったと思います。

あまり情報通でない私は、
後から、
クラスのみんなに知らされたのですが、
その担任の先生は、
中学校でも厳しいと評判で、
あの先生に断る発言をした生徒など、
今までいなかった、
ということでした。

静かに中学校生活を、
始めようとした私は、
人の言葉を額面通りに受け取る、
ASDの性質から、
一気にクラスの有名人に、
なってしまったのでした。

マルトリートメントと私48.何となく見えた私の評価に続きます。