私の成育歴

マルトリートメントと私67.覗かれたお風呂

覗く男
私がなぜ、自分の生育歴を振り返るようになったのかは、私が自分の成育歴を振り返ることにした理由をご覧ください。
私の成育歴の記事一覧は、愛着障害に関する成育歴にあります。

※自分の記憶に基づいて書いているため、事実と違っている可能性があります。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、
蛍光灯の灯りを煩く感じる私が、
お風呂場の電気を点けずに入浴することに、
物凄い嫌悪感を母が示したために、
私はお風呂に入る時には、
自分の感覚が逆撫でされることよりも、
母の神経を逆撫でしないように努めて、
お風呂場の電気を点けて、
入浴していました。

けれど、このことが、
私に新たなトラウマを、
植え付けてしまいました。

クラスでたびたび話題になっていた、

「女子のお風呂を覗いてまわる男子」

が、
私の家にも現れたのです。

覗く男

中学生になって、
女子の体に興味を持ったその男子達は、
夜にクラスの女子の家を回って、
同級生の女子達の入浴を覗いて回っていると、
被害に会った女子達が言っていました。

だいたいどの男子か、
目星はついているものの、
先生達に訴えるところまでは、
いっていないようでした。

でも私は自分が、
そのような被害に遭うとは、
思っていませんでした。

小学生の頃から変わっていると言われ、
奇行をたくさん行なってきた私は、
他の女子全員が、
スカートめくりの被害に遭っても、
私1人、
誰からも何もされたことが無かったからです。

男子達にとって私は何かしたい女子ではない。

そう思っていた私は、
今回の男子がお風呂を覗いて回る騒動も、
他人事のように感じていました。

そのため、
他の女子達が警戒してお風呂に入る中、
私は無防備だったのかもしれません。

私がある日の夜、
お風呂から上がって体を拭いていると、

「バスタオル1枚で立っちょらい(立ってるぞ)」

という声が、
頭の上の方から聞こえてきました。

私の住んでいた家は平屋で、
脱衣所に勝手口がついており、
その上に透明なガラスが入った窓が、
設置してありました。

男子達はその窓から、
私が体を拭いているところを、
眺めていたようでした。

私はその声を聞いて、
とっさに脱衣所からお風呂場の、
全ての電気を全て消しました。

私が気づいたことに気付いた男子達は、
慌てて走って逃げて行きました。

そのことは、
脱衣所に付いている勝手口から、
家の玄関の庭先まで砂利が敷いてあり、
その砂利を踏む足音が、
遠ざかって行くことで分かりました。

逃げていく男子
(逃げたのは3人の同級生の男子達)

私はとても怖くて、
しばらく暗い中で1人で震えていました。

でも、いつまでも電気を消していたら、
またお母さんに怒られると思い、
私は慌てて体を拭いて服を着ると、
電気を点けて、

何事も無かったかのように脱衣所を出ました。

私が住んでいたその家は、
脱衣所の隣が台所だったのですが、
母が茶碗を洗っていたために、

「お母さん(お風呂から)上がったよ」

と私は声を掛けてみました。

「ああ」

という母の返事から、
母は脱衣所で私の裸を覗いていた男子達が、
走って逃げた足音に、
気付かなかったのだと分かって、

私はホッとしました。

自分が誰かから、
性的な目で見られていることを、
母親に知られることが、

私はとても怖かったからです。

それは多分、
父親から性的イタズラをされていた私が、
お風呂場で父に体を触られて
あまりのおぞましさで泣き出した時に、

「お前もそれくらいのことで泣くな!!」

と母親から怒鳴られたことが、
無関係では無いと思います。

自分に性的な行為が行われたとしても、
誰も助けてくれないと知った時、
私に出来たのは、

無かったこととして記憶を封印することだけでした。

そうしないと私は、
自分の正気を保つことが出来ませんでした。

母親にクラスの男子達に、
裸を覗かれたのを知られたら、
また私は、
自分が怒られるのではないか、
と思っていました。

性的な対象で見られる自分が悪い

そんな思いが私の中にありました。

だから私は今回のことも、
誰にも知られていないことを幸いに、

無かったことにすることにしました。

談笑する女学生

次の日に学校に行っても、
私は普段通りに友達と話していました。

昨日の夜聞こえてきた声から、
誰が覗きにきていたかは分かっていましたが、
私はその男子の前でも、

何事も無かったかのように振る舞いました。

本当は内心怖かったため、
心も体もその男子の前では震えていました。

それでも私は心の底から、
その男子達が昨日の出来事を、
無かったことのように振る舞うことを、
祈りました。

それはまるで、

自分の方が何か悪いことをしでかしたかのような気持ちでした。

きっとこの時の私は、
自分がお風呂を覗かれたことを、
黙っていて欲しければ、
言うことを聞けと脅されたら、
きっと素直に従っていたでしょう。

それくらい私にとっては、
自分が性的な目で見られることは、
無かったことにした、
過去の傷を掘り起こしてしまう、
とても恐ろしいことでした。

お風呂場の電気を点けなければ、
男子達に私がお風呂に入っていることを、
気付かれずに済んだ。

その思いはありましたが、
母にクラスの男子達に、
お風呂を覗かれたことを知られたくない私は、
その後も、
自分の感覚を逆撫でする電気を点けて、
周囲を警戒しながら、
お風呂に入り続けたのでした…

マルトリートメントと私68.ASDの過集中と先生達の偏見に続きます。