社会との関わり方

発達障害グレーゾーンは『集団の中にいる』、そのことだけで自分を褒めてあげよう

今日は、私の働いている営業所で、
課長と課長補佐が勤務する最後の日でした。

お局部下との相性が悪く、
居心地の悪い思いをして働いている私と違い、
課長と課長補佐は、
この職場が大好きなようで、

「この楽しい職場から転勤したくない」

と、ずっと言い続けていました。

特に課長は、
お局部下のことが大好きだった為、
お局部下との別れを、
とても惜しんでいました。

自分の感情に任せて、
人に酷い態度を取るお局部下を、
大好きだと思う課長の気持ちは、
私には全く理解出来ず、
お別れムードで盛り上がっている二人を、
横目で見ながら、
私は九州支社から示された、
営業目標を達成するため、
1人で黙々と働いていました。

そして昼の休憩時間になり、
ふと目を上げると、
営業所には私と、
発達障害を疑われている男の子しか、
いませんでした。

私が皆んなどこに行ったのだろうと、
不思議に思っていると、
発達障害を疑われている男の子が、

「皆んな課長と課長補佐と一緒に、
最後のランチに行ったみたいですよ」

と教えてくれました。

「あぁ、そうなんだ…」

私はなんだか気が抜けて、
空っぽの営業所を眺めました。

今日の営業所は、諸事情により、
通常の窓口の営業を実施していませんでした。

だからその分の売上の減少を、
他の業務で何とかカバーして、
営業目標を達成しようと、
私は朝からせわしなく働いていました。

でも、そんな事を考えていたのは、
私だけでした。

そうして私が一人で働いている間に、
お局部下達は課長たちとの別れを惜しみ、
窓口の営業が止まっているのをこれ幸いと、
皆んなで誘い合って、
ランチに行ってしまったのでした。

その皆んなに、私は含まれていませんでした。

でも以前の私なら
かなりショックを受けたであろう、
その出来事は、
私をあまり落ち込ませはしませんでした。

私は、自分が、
発達障害グレーゾーンであり、
人とのコミュニケーションが、
上手くないことを、
検査を受けた結果の事実として、
知っていました。

私が人と上手く、
コミュニケーションが取れない理由は、
私の性格に問題があるからではなく、
脳機能が一般の大人達のように、
発達していないからだと、
私は原因を知ることが出来ていました。

だから、私は今までのように、
傷つきはしませんでした。

私が一人でいることは、
仕方のないことだからです。


自分が発達障害グレーゾーンだと、
検査を受けて知るまでは、
こんな時に一人で誰からも誘われない自分は、
とてもみじめな存在だと思っていました。

でも私は、
自分が発達障害グレーゾーンだと知って、
そんな自分が、
会社という組織に属して、
働き続けている事が、
それだけでとても凄いことなのだ、
と思うようになりました。

そして皆んなと同じように、
振る舞えないという劣等感から、
私は自分を解放することが出来たのです。

普通でない私は、皆んなと同じでなくていい

この思いは、
私を支えてくれるようになりました。

1人でいてもいい、
社会で働いているだけで充分。

自分が、
発達障害グレーゾーンだと知って、
自分に対するハードルが、
下がったのだと思います。

それは、とても安心する思いでした。
そのままの自分でいいと、
肯定する思いだからです。

それでも、
人とのコミュニケーション力が、
重要視される社会で、
発達障害グレーゾーンが生きてくのは、
発達障害だと疑われている男の子も、
ランチに誘われなかったことで、
とても大変なことなのだと実感します。

でも、そこには私1人ではないという、
安心感もあります。

私とその男の子は、
二人だけ営業所に残されても、
決して寄り集まったりしません。

でも、その男の子の存在は、
こんなに生きにくい会社という組織の中で、
頑張っているのは自分だけではないのだと、
思わせてくれます。

だから自分も、
頑張ろうと思う事が出来るのです。

私がその男の子に対して持っている思いを、
このブログを読んでくれている方が、
持ってくれたら嬉しく思います。

あなたは一人ではありません。
会社という組織の中で、
発達障害グレーゾーンの性質を抱えながら、
同じように頑張って生きている私や、
そしてきっと他にも仲間がいます。

だから、集団の中で、
1人孤立してしまうことがあって、
哀しく感じてしまったとしても、
自分を駄目だと思わないでください。

集団の中に存在している、
発達障害グレーゾーンにとって、
それだけで凄いことなのです。