幸せになる方法

世の中にはもっと大変な目に遭っている人がいる、それが何?

可哀想な人

これから私が書く内容は、性的表現が含まれていて、人によっては不快感を感じる内容かもしれません。
どうぞ、そのことを留意して、関心のある方だけ読んでいただければ、と思います。

私が子供の頃に、
父から受けた猥褻行為のことを、
人に話したのは過去に3人だけでした。

そのうちの1人が、元結婚相手です。

お付き合いしていた時に、
性的行為を拒む私に対して、
イラついた元結婚相手が、
怒気をはらんだ声で、
理由を問いただしてきたため、
止むを得ず話しました。

最初は同情的に聞いていた、
元結婚相手でしたが、
何度も拒む私に対して怒り出し、
最後には周囲の物を壊して、
怒鳴り散らすという行動を起こしました。

その姿は、幼い頃に何度も見ていた、
暴れる父の姿をフラッシュバックさせ、
私は恐怖で抵抗できなくなり、
元結婚相手は、
自分の思い通りの結果を手に入れました。

そして、彼はこんな言葉を私に言ったのです。

「(父親に)突っ込まれた訳じゃないんだろ」

「世の中には父親にヤラれた人間だっているんだぞ」

世の中にはもっと、
可哀想な目にあった人がたくさんいるんだから、

お前(私)が過去に父親から受けた行為など、
大したことじゃない、被害者ぶるな

と言われました。

確かに私が父親から受けていたのは、
体を触る、
触らされるといった行為までです。

けれど、父が単身赴任にならずに、
私が父と同居したまま成長していったなら、
どうなっていたか分からないと、
私は思っています。

でも、最終的な行為を免れた私は、
父親から受けた猥褻行為で悲しむのは、
私の心が甘えているからなのだと、
この時、
元結婚相手から刷り込まれてしまいました。

でも、今なら分かります。

自分が受けた辛く苦しい出来事を、
人と比べることに意味はありません。

自分より、
大変な目に遭っている人がいるのだから、
自分に起こった程度の出来事で、
悲しんではいけないなどという考えは、
より自分を不幸にしてしまいます。

自分より可哀想な人がいるからといって、
その時に自分が感じている、
辛さや苦しさは消えません。

「あなたより大変な目に遭っている人がこの世の中にはいるのよ」

このような発言は、
勇気を出して辛さや苦しさを言葉にして、
助けを求めようとする人から、
言葉を奪ってしまいます。

その発言には、
これくらいのことは、
自分で乗り越えなければいけないのだという、
言外の圧力が込められているからです。

でも、
私の今までの経験で話させていただければ。

そのような発言をする人自身は、
私より大変な目に遭っていません。

可哀想な人

私の元結婚相手は、
もちろん自分の父親からも母親からも、
一度も猥褻な行為など受けていません。

ただ、私よりも、
大変な目に遭っている人がいることを、
知っているだけです。

私の知っている限り、
同じような経験をしている人間は、

「私の方が大変な目に遭っているのよ」

などという発言はしません。

その出来事があった時の、
辛さや悲しさに共感して、
優しい言葉をかけてくれます。

私には、

「世の中にはもっと大変な目に遭っている人がいるのよ」

という言葉を、
今現在つらく苦しんでいる相手に言う、
人の気持ちは分かりません。

その言葉で頑張る勇気が出る訳では無いこと、
かえって、この程度で、
辛さや悲しさを抱えてしまっている自分を、
ダメな人間だと卑下してしまい、
さらに心身が悪化してしまうケースがあることを、
私は自分の体験として知っているからです。

だから私は、
このような発言をする人に伝えたいのです。

世の中にはもっと大変な目に遭っている人がいる、それが何?

あなたがそのような発言をすることで、
人に助けを求めようとしていた人が、
助けを求められなくなるかもしれません。

そして、そのことで、
自分1人で物事を抱え込んでしまい、
心身を壊してしまうかもしれません。

あなたが、どんな意図で、
そのような発言をするのかは分かりませんが、
あなたの意図通りに、
物事が進むわけではないことを、
理解してください。

少なくとも私は、
この言葉で励まされたことはありませんでした。

人に言われるのではなく、自分でそのように感じたのなら、自分が頑張る力になりました。

そして、この言葉を言われた人にも、
ぜひ覚えておいて欲しいことがあります。

そのような発言をする人が、
あなたの人生の責任を、
負ってくれる訳ではありません。

相手の言葉を受け入れて、
1人で頑張って心身を壊したとしても、
その責任を、
相手が取ってくれる訳ではないのです。

どうか、辛く苦しんでいる人が、
自分の感情を吐露する機会を、
奪わないで欲しいと思います。

そして、今現在、
辛く苦しんでいる人は、
人に助けを求めることを、
自分に許してあげてください。