新型コロナウィルスのために、
緊急事態宣言が出てから、
会うことの出来ていない、
福岡県に住んでいる友人。
先日、久しぶりにLINEがきたので、
どうしたのだろう、と思ったら、
とても大変な状況になっていました。
身体的にではなく、精神的に。
彼女はある人のことが、
とても憎くて憎くてたまらない、
と言っていました。
その思いは、私にはとても良く分かりました。
私も過去に人を憎みすぎて体を壊し、
救急車で運ばれたことが2回ほどあったから。

2回目に救急車で運ばれたのは、
1回目に運ばれたのと同じ病院だったのですが、
あまりの胃の痛さに脂汗を流し、
ベッドの上で苦痛にのたうちまわる私を、
傍に立って見下ろしていた医師は、
「運んでこられても、精神的なものだからどうしようもないんだよね」
と、淡々と言ったのでした。
その言葉は、
痛みに全ての意識を奪われていた私の耳にも、
いやにはっきり聞こえてきて、
私は病院のベッドの上で痛みに苦しみながら、
「誰も私のことを助けてはくれないんだ」
と、
絶望的な気持ちになったのでした。

あの時の、
この世界に自分はただ独りなのだという感覚は、
ずっと私の心の中に残っていて、
「自分を幸せに出来るのは自分だけなのだ」
と、
ドン底の人生から、
這い上がるキッカケにはなったのだけど、
あの時の絶望的な気持ちを、
友人に感じて欲しくはありませんでした。
だから、私は友人の、
人を憎む言葉をひたすら聞き続けました。
- どんなことをされたの?
- 何が一番嫌だったの?
彼女の相手が憎くて堪らないという気持ちが、
今、どのような状態なのか、
彼女の言葉から知ることが出来るように。
そうして、
彼女の言葉を聞き続けていった時に見つけた、
彼女が口にしない、
彼女の多分、本当の気持ち。
"相手が人としての最低限の情けも彼女に見せなかった哀しさ"
山火事の時には、
動物達は草食動物も肉食動物も争うことなく、
避難すると言うけれど。
彼女が家族とも呼んでいる大切なペットが、
生死の境を彷徨っていて、
更にコロナ禍と言われている、
通常とは違う状況の中で、
その彼女が憎いと言っていた相手が、
彼女に一切の温情もかけず、
彼女を追い詰めるような言葉を、
彼女に伝えていたこと。
多分、そのことを悲しく感じていたのだけど、
相手への憎しみの気持ちが強すぎて、
自分が何でこんなに苦しいのか、
私に尋ねてきた友人。
私はそんな友人に、
こんなLINEを返しました。

彼女の心の中では、
本当は憎しみよりも、
辛さ、悲しさの方がまさっていると思ったから。
この言葉は、
彼女が憎しみと表現していた言葉の、
陰に隠れていた気持ちを、
彼女が受け入れることに役立ったらしく。
彼女は悲しかった自分の気持ちに気付いてくれて、
でもその気持ちをどうすればいいか、
分からない様子だったため、
私は自分が実践してきた心理療法を伝えました。

自分が過去に行ってきた、
自分を癒すための行動。
辛い状況を、
我慢することでやり過ごしてきた彼女が、
自分の心を癒していくには、
"本当はこうして欲しかった"
という、
彼女が無理矢理自分の心の奥に、
仕舞い込んで無かったことにした気持ちを、
もう一度心の奥底から取り出して、
認めてあげることが必要だから。
(我慢させていた過去の自分の気持ちに気づいて、
その気持ちを自分で満たしてあげるのは、
私が自分のインナーチャイルドを癒した方法でもあります)
人を憎む気持ちの裏には、
傷ついた自分の心が隠れています。
憎い気持ちにフォーカスしたままだと、
過去の私のように、
体を壊してしまうことにも繋がるから。
思い切り人を憎んだ後は、
何で自分がこんなに相手を憎く感じるのか、
自分の心に聞いてみてくださいね。