セラピー/カウンセリング

自分のことより大切なもの

赤ちゃんを見つめるお母さんがとおばあちゃん

機能不全家族の中で育ち、
ASD(自閉スペクトラム症)に、
該当している私は、
発達障害を専門にしている心理士の方から、
定期的に、
カウンセリングとASDを克服する、
スキルトレーニングを受けています。

このカウンセリングと、
スキルトレーニングを受けることで、
私の生きづらさはかなり改善されました。

私はいつも転勤先で、
職場のお局様から必ず嫌われて、
嫌がらせを受けていたのですが、
4月に転勤してきた今の支社では、
お局様と上手く付き合うことが出来、
今までの職場で一番円満に、
人間関係を構築することが出来ていました。

だから私にとって、
この心理士の方との面談の日は、
とても大切なものだったのですが、
私は今日入っていた面談の予定を、
急きょキャンセルすることにしました。

私にとって、
自分の面談よりも、
大切な用事が出来たからです。

それは、娘と孫を連れて、
鹿児島の実家に帰ること、でした。

明日、亡くなった父の、
一周忌を行なうため、
娘と孫は旦那様と一緒に新幹線で、
鹿児島に帰る予定だったのですが、
おととい娘から連絡があり、
旦那様が仕事の都合で、
鹿児島に帰れなくなったと聞かされたのです。

生後2ヶ月の赤ちゃんを連れて、
娘が1人で新幹線で鹿児島に帰るのは、
大変だと思った私は、
急きょ、
本日の心理士との面談をキャンセルして、
娘と孫を車に乗せて、
鹿児島に帰ることにしました。

スキルトレーニングは、
定期的に行っておいた方が良いし、
急な面談のキャンセルは、
キャンセル料もかかるし大変なのだけど。

私にとっては、
自分を生きづらさから救ってくれる、
トレーニングよりも、
娘と孫が安心して、
鹿児島に帰れることの方が、
大切だったのです。

どんなに自分が、
生きづらさから解放されたとしても、
自分のことを、
愛してくれる存在がいなかったら、
そんな人生は虚しいから。

私が自分の存在を肯定することが出来て、
自分のメンタルを、
強くすることが出来るようになったのは、
娘が私を、
大切に思ってくれていたせいだから。

自分を大切に思ってくれている人を、
私も大切にしてあげたい。

そんな思いから、
私は心理士との面談を、
キャンセルしたのでした。

私が心理士の面談を定期的に受けていて、
スキルトレーニングを受けていることも、
娘は知っているけれど、
このキャンセルは、
娘には秘密にしています。

娘が気にしてしまったらいけないから。

私は自分が娘に何かしてあげた時に、

「ごめんね」

ではなくて、

「ありがとう」

と言われる方が好きなのです。

定型発達の人が当たり前に出来る、
このような気遣いの方法も、
私はカウンセリングで学びました。

人を大切にしたいと思う想いはあっても、
機能不全家族で育ち、
ASDの特性を持った私は、
自分の独りよがりな考え方からではなく、
相手が喜ぶ、相手を大切にする方法を、
知らなかったからです。

おかげで私は今日、娘から、

「お母さん、ありがとう」

という言葉を、
言ってもらうことが出来ました。

運転5時間、かなり大変だったけど。

娘と孫とのんびり過ごす、
とっても幸せな時間でした。