発達障害(ASD)グレーゾーン

ASDの素晴らしい特性

長所

私は10月から、
新しい学びを始めています。

そこで講師の方から、
ある課題をだされたのですが、
ASD(自閉スペクトラム症)で拘りが強く、
きちんと理解出来ないと動けないため、

「分からなくてもとりあえずやってみる」

という行動が取れない私は、
講師の方が言った言葉の内容に納得がいかず、
どのような意味なのだろうと、
2週間程悩んだ末に、
ようやくその疑問を講師に伝えるといった、
とても時間のかかる行動を取ってしまうため、
まだ講座が始まって、
2ヶ月しか経っていないのに、
どんどんと他の受講生から遅れ出しています。

この、

「皆んなで一斉に始めても自分だけ遅れてしまう」

という状況は、
学生の頃から繰り返し起こっていて、
小学生や中学生の頃は、
皆んなと同じ速さで行動出来ない自分を、

「皆んなと同じことが出来ない落ちこぼれ」

と感じて卑下していましたが、
社会人として働くようになって、
私はこの認識を改めるようになりました。

「分からなくてもとりあえずやってみる」

という人達は、
なぜそうやるかを理解することなく、
とりあえず言われた通りにするだけのため、
仕事は早いけれども、
言われたことと違う状況が起こると、
自分で対応することが出来ません。

けれどASDで拘りが強い私は、
自分が納得しないと動けないから、
行動に移すまでに、
時間がかかってしまうけれど、
動き出した時には、
なぜそのようなことをしなければならないか、
ちゃんと理解しているため、
言われたことと違う状況が起こっても、
自分の理解に基づいて、
対応することが出来ます。

融通の効かないASDは、
柔軟な対応が出来ないと思われがちですが、
それは相手が、
決まったルールを曲げようとしてくる場合で、
その相手の要望が、
ルールを曲げるような内容でなければ、
自分の知識や理解に基づいて、
きちんと対応していくことが出来るのです。

だから、私の過去の経験から言うと、
総務課のようなハッキリしたルールのない、
個人の価値観や社会の一般常識に基づく、
柔軟性を求められる場所だと、
ASDは融通の効かない人間だと、
悪い評価を受けるけれども、
逆に法務課のような、
自分の心情を差し挟む余地のない、
法律や規則に基づく場所だと、
納得がいくまで法律を読み続けるために、
その法律や規則に幅広く精通しており、
他の人には思いつかないような、
関係する法律の、
抜け道的な対応を思いつくことが出来るため、
かえって、

「柔軟な対応をしてくれる人」

と思われることもあったりします。

どちらも、基になっているのはASDの、

拘りが強く真面目な特性

です。

その特性自体は何も変わっていないのに、

自分がどこにいるかで周囲の評価は全く変わります。

私自身が、
自分という人間の本質は、
全く変わっていないのに、
周囲の人達に、
正反対の評価をされるという経験をし、

人の評価はとても利己的なもの

なのだということを知りました。

そんな経験があったので。

今回学び始めた講座で、
次々と進んでいく、
受講生の皆んなを見ていると、
講師の言葉が納得出来ないたびに、
立ち止まってしまっている自分に、
焦る気持ちになるのですが、
その気持ちがしばらく続くと、

「私はこれでいいのだ」

という気持ちが、結局は湧いてきます。

そう思えるのは、
自分の働きぶりを認めてもらえた、
過去の社会人経験があるから。

人に認めてもらえた経験って、
とても自己肯定感を上げてくれます。

そして、この経験は、
学校生活では、
決して認めてもらうことの出来なかった、
集団行動が出来ないというASDの特性を、
良いものなのだと感じさせてくれるのです。

だから、私は言います。

納得出来ないと動けないのはASDの素晴らしい特性

だって。

これは決して、
ASDの"方が"素晴らしい、
と言っているのではありません。

みんな違ってみんないい。

どちらが良い、悪いではなくて、
定型発達者の社会の中で、
マイノリティであるがゆえに、
すっかり自己肯定感が低く育った、
ASDの方に、

特性は見方を変えれば長所になる。

ということを、
知っておいて欲しくて伝えています。

そして、こう思うことで、
私は講座についていけてないプレッシャーを、
軽くすることに成功しています。

講座の中で講師の方が、
とても素敵な言葉を伝えてくれたので、
シェアさせていただきます。

人と比べる必要はない。
ライバルは自分自身。

この言葉は悩むことなく、
すっと胸に染み込みました。

まずは自分が、
自分の素晴らしさを認めてあげること。

そのために今、
自分に出来ることを精いっぱい、
頑張っていこう。

講師に出された課題に取り組みながら、
そんなことを日々、
思っているのでした。