回想録

幼い頃の夢で感じた自分の心の変化

おじいさんと子供の手

ふと、夢の中で思い出した、過去の記憶。

夢の中で、
わたしは小学校低学年の子どもでした。

その頃の私は、
多分、今の時代であれば間違いなく、
発達障害と診断されたであろう、
皆んなと同じ行動をとることが出来なくて、
自分の心の琴線に触れる出来事があると、
泣いて暴れて嫌がる、
とても我の強い子どもでした。

そんな私は学校に馴染めなくて、
教室に入りたくなくて、
よく授業が始まる時間になっても、
教室にいかずに、
学校の中の死角のよう薄暗い場所で、
一人で何をするでもなく佇んでいました。

ただ、昔の小学校というのは、
年老いたおじいさんが、
用務員という仕事をしていて、
皆んなが授業を受けている間も、
学校をキレイにするために、
せっせと草取りなどを、
してくれていました。

そして、
そんな用務員のおじいさんは、
誰の目にもつかないような場所に、
隠れている私にも気付いて、
手を差し伸べてくれたのです。

おじいさんと子供の手
用務員のおじいさんは、
わたしを学校の敷地内にある、
用務員室に連れて行ってくれて、
わたしが自分から出ていくまで、
そこに居させてくれました。

詳しいことは覚えていないけれど、
思い出すと、
涙が自然にあふれてくるくらい、
それは、とても優しい記憶でした。

なんで今まで、
こんな優しい人のことを、
わたしは忘れてしまっていたんだろう?

そんな風に思った時に浮かんだのは、
わたしが今まで、
闘っていた時の記憶でした。

発達障害の性質のある自分を、
理解してくれない、
学校から、親から、社会から、
私は自分を守るのに必死でした。

自分を守るために闘うのに必死で、
自分の目の前にいる人達は、
全て自分を、
押し殺そうとする敵に見えて、
そんなわたしの世界から、
優しい人は、
いなくなってしまっていました。

一昨日の朝。

優しい用務員のおじいさんの事を、
思い出せたのは。

自分が世界を優しいものだと、
感じ始めているからだと。

そんな風に思いました。

それは、とても幸せな変化でした。

そしてわたしは、
そんな自分の目に映る世界の変化を、
皆さんに伝えることで、
今苦しんでいる人達の、
何かの参考になればと思い、
この記事を書きました。