社会との関わり方

頼まれごとを引き受けない勇気

お断りする態度

今日は先週、私を苛つかせた部下Aが、
自分の業務のため残業する日でした。

私は毎週火曜日は通院しているため、
定時になったらすぐ帰ろうと思い、
机の上を片付けていたら、
部下Aが私に話しかけてきました。

「係長(私のこと)は、すぐに帰るんですよね?」

その言葉に、何か含みを感じたのですが、
私はあえて何も聞かず、ただ、

「そうですよ」

とだけ、答えました。

私が答えた後に何も言わず黙っていると、
部下Aは私に対し、
自分が残ってやる業務の、
やり方を質問してきました。

それは2時間後に自分1人で荷物を運ぶか、
部下に自分と一緒に2時間残ってもらって、
自分1人でも運べるような荷物を、
一緒に運んでもらうかを、
自分で決めればいいだけの質問で、
私は彼女と同じ業務をしていた時、
誰かに尋ねたことなど、
一度もないような単純な内容でした。

ここでもやはり部下Aは、
自分で考えることをしないのだな、
と私は感じました。

私は部下Aに対し、

「私は全部自分1人でやってましたよ」

と、答えました。

私は機能不全家族の中で育っており、
愛着障害を抱えているせいか、
誰かに頼ることをよしとせず、
自分で出来ることは全て、
自分1人でこなしてきていたため、
ただ軽い荷物を運ばせるためだけに、
2時間も部下に残業させることなど、
考えたこともありませんでしたし、
自分がもし部下の立場なら、
そんな上司は迷惑だと感じるだろう、
と思いました。

私のモットーは、

「自分がされて嫌なことは人にもしない、
自分がされて嬉しいことは人にする」

です。

そんな私の答えは恐らく、
自分で物事を考えて決断する、
といったことが嫌いで、
自分1人で物事を進めて、
責任を取るのが嫌な彼女にとっては、
望むものではなかったのでしょう。

私の答えを聞くと部下Aは、

「やっぱりそうですよね」

と言って下を向きました。

部下Aは初めて残業して行うその業務を、
自分1人で行うことが不安そうでした。

自分の他に残業する人がいないか確認しながら、

「今日残業するなんて、私だけですよね」

と私に向かって言ってきました。

そんな彼女の様子に、
部下Aは私に残って欲しいのだろう、
と思いましたが、
けれど私はそんな彼女の様子など、
まるで気が付かないかのように、
振る舞いました。

今日、私が部下Aに対し、
仕事のやり方を指導した時に、

「私が自分で責任を取ります」

と言って、
私の言うことを聞かなかったため、
私はもうこれ以上、
彼女に必要以上に自分の知識を与えることも、
彼女が困ることになるからと気遣うことも、
もう辞めよう、と思っていたのでした。

部下Aもそれ以上、
私に何かを言ってきたりはしませんでした。

だから私は当初の予定通り、
定時になったらサッと事務所を出てきました。

私はASD(自閉スペクトラム症)のため、
人の顔色が読めないと思われがちですが、
愛着障害やHSPの気質も、
持ち合わせているため、
相手の感情にも敏感に反応します。

ただ、相手の感情は感じとれても、思考形態の違いからか、何で相手がそのような感情になるのかは分かりません

今日も部下Aが自分1人残って、
その仕事をするのが不安だから、
私に残って欲しいと思っていることは、
分かったのですが、
指導しても言うことを聞かない私に対して、
何で部下Aは、
困った時だけ頼ろうとすることが出来るのか、
その心境は私には理解できません。

私にはそんな態度はとれないし、だからこそ"情けは人の為ならず"で、
自分が嫌だと思うようなことでも、いつか自分がお世話になるかもしれないから、無下に断るようなことはしません。

ただ、部下Aのその態度は、
とても狡いと思うし、
私に対しても失礼な態度だと思います。

だから私は今日、
いつもなら、すぐに帰るかを聞かれた時に、

「何かありますか?」

と訪ねるところを、
全くスルーする態度を取りました。

愛着障害を抱えた人間は、
人に頼りにされると嬉しくて、
つい頼みを引き受けてしまいがちですが、
あなたにお願いをしている相手側は、
必ずしもあなたという人間を、
認めて頼りにしてくれている、
訳ではありません。

そのあなたの愛着障害の性質を利用して、

ただあなたを利用しようとしている

だけかもしれないのです。

私は会社という社会の中で、
たくさんそのような経験をしてきました。

相手に頼まれた仕事を、
一生懸命してあげている間、
その相手は、
友人達と遊び呆けていただけだった、
ということも、
頼まれたことを断ったら、
あんなに親しげな態度で接してきた相手から、
無視されるといった経験もありました。

自分が誰かを利用しようとする人間に、
なろうとは思わないけれど、
愛着障害を抱えている人間は特に、

自分が誰かに利用されない人間でいる

ことも、
とても大切なスキルなのだと思います。