2次障害の防ぎ方

部下Bが辛い理由

泣く女性

部下Bが辛い理由

ここ最近、
私はとっても疲れていました。

なぜかというと。

ASD(自閉スペクトラム症)の性質から、
人と関わるのは本来得意ではないのだけど、
仕事に支障をきたすほどに、
部下Aと部下Bの仲が悪くなっても、
人に気を遣われるのは大好きだけど、
人に気遣いするのは嫌がるオレ様課長は、
そんな部下達に声がけすることもなく、
ただ放っていたため、
2人の間で揉め事が起こるたびに、
私が仲裁に入っていたからです。

でも、そんな私の頑張りは、
部下Bがいつものように私に対して、
部下Aに対する苦情を言う時に、

「私も係長(私のこと)と主任(部下Aのこと)の間に挟まれて辛いんです」

と涙ながらに言い放った一言で、
バカバカしくなってしまいました。

部下Aの仕事ぶりが信じられないから、
自分の上司(主任)である部下Aに、
仕事の相談が出来ないと、
窓口係である部下Bが私に言ってきたため、
本来、
2人の仕事の間に立つ立場ではない、
係長の私が、
2人の間に入っていたのだけど。

仕事の序列は、窓口係<主任<係長で、
仕事で何か問題が起こった場合、
本来は自分の1つ上の上司に相談します。
窓口係の部下Bが係長である私に、
直接仕事の相談をしてくることは、
本来はやってはいけないことなのです。

だから、
現在のこの状況を冷静に考えてみた場合、

間に挟まれて辛い思いをしているのは私です。

けれど部下Bは、
更衣室にこもって泣くほどに本気で、
自分は被害者だと思っていました。

そんな部下Bの心をなだめるために、
私は彼女の愚痴に付き合っていましたが、

心の中ではすっかり部下Bのことを見限って

いました。

部下Bの苦情は基本、

  • 「私はちゃんとしているのに◯◯さんはしていない」
  • 「私はこんな思いをしているのに、◯◯さんは何もしてくれない」
  • 「◯◯さんは私に取り入って私を利用しようとしている」

といった、

周囲の人間のせいで自分は辛い思いをしている。

という思考です。

この部下Bの思考は、
正しいこともあれば、
もちろん間違っていることもあります。

でも、部下Bは、

自分の思考が間違っているという可能性を受け入れません。

そのため、
いつもいつも、自分が被害者になっていて、
いつもいつも自分の辛さを訴えます。

私は職場で円滑に仕事をするために、
そんな部下Bの苦情を聞きながら、
間違っている思考の場合、
違う考えを示唆してみたりしましたが、
彼女は決して、

相手が悪い訳ではない。

という考えを、
受け入れることをしませんでした。

  • 悪いのは周囲の人間
  • 自分が正しい
  • だから自分の考えは変えない

私はこの思考を持っている人間が、
どんなに生きるのが大変かを知っています。

それは少し前の私だからです。

私は発達障害という言葉を知り、
自分が、
ASD(自閉スペクトラム症)ではないか、
と思い、
発達障害専門カウンセラーの、
カウンセリングを受けた時、
自分が人と考え方が違うことを知りました。

その時は自分の考え方が、
マイノリティだとは知らず、
泣き出すほどのショックを受けました。

でも、この生きづらさを克服して、
幸せになりたかった私は、
社会で生きやすくなるために、
定型発達者が、
成長過程で自然に身につけている、
社会で普通と考えられている、
ルールや気遣いといったものを、
自分で学習していったのです。

そんな努力をして、
自分の思考の偏りを見直してきた私には、
自分の考えを見直すことなく、
自分が辛い理由を周囲のせいにする部下Bに、
これ以上、
何かをしてあげたい気持ちは、
湧きませんでした。

周囲の人間を変えることは出来ません。
自分が出来るのは、自分を変えることだけです。

自分でそのことに気付かなければ、
きっと部下Bは職場で辛いままでしょう。

けれど部下Bは職場以外に、
自分の思考を肯定してくれる友人が、
沢山いるため、
それでいいと思うのかもしれません。

それは部下Bの選択で、
私が口を出すことではないでしょう。

けれど私は、
自分を幸せにしたいと願って学んだ、
ヒプノセラピーで、

  • 影響側の人間でいるか?
  • 原因側の人間でいるか?

の選択が、
幸せになるためには大切だと知りました。

周囲の人間が悪いから辛い思いをする
"影響側"の思考の場合、
周囲が変わらなければ、
辛い状況は変わりません。

けれど。

自分の言動や思考で辛い思いをしている
"原因側"の思考の場合、
自分の言動や思考を変えれば、
辛い状況は変わります。

原因側には、逃げてもいいという思考も含まれます。
思考を変えれば全ての状況が良くなる訳ではありません。

だからこれ以上部下Bと関わると、
自分が保たないと思った私は、
部下Bと距離をとることにしました。

それも、1つの選択です。

その人が自分の人生で何を選ぶかは、
その人次第だけれど。

このブログを読んでくれた皆さんには。

マルトリートメントを受けていた、
ASDで愛着障害のある私でも、
原因側の思考をすることで幸せになれたこと。

そのことだけは知って欲しいな、
と思います。

私が部下Bに対して取ったバウンダリーの方法

先日、私は具合が悪くて、
1日仕事を休んだのですが、
そんな私を待ちかねていたように、
次の日には、
会社の朝礼が終わってすぐ、
部下Bが私のところに寄って来ました。

寄って来た理由は相変わらず、
自分が仲が悪い主任(部下A)に対する、
不満を私に訴えるためでした。

「主任の仕事が本当に遅いんです」

そう言って深刻そうな顔をする部下Bに対し、
私は共感を示しながらも、
同調はしないように気をつけていました。

それは、私が具合が悪くて、
仕事を休んだ理由が、

部下Bの不満に付き合っていたら
自分の心身のバランスを崩した

ことだったからでした。

共感と同調は、
とても似ているように思えるけれど、
実はかなり違います。

私は部下Bが、

「主任の仕事が遅いと思っている気持ち」

を否定せずに受け入れ、
部下Bがそう思う気持ちに対し、

「あなたはそう思っているんですね」

という共感の意を示しましたが、

「主任の仕事が遅い」

という部下Bの考えに対しては、
同意を示さず、
同調してその考えを支持しませんでした。

確かに主任は仕事は早くありませんが、
その部下Bの意見に同調したら、
部下Bは我が意を得たりとばかりに、

「やはり自分の考えが正しくて、
間違っているのは主任(部下A)なのだ」

と考えて、
自分の他の間違った思い込みまで、
強化してしまうため、
私は部下Bの考えに同調することは、
たとえ自分が同じ意見だったとしても、
同意を示さないことに決めたのでした。

部下Bの気持ちに共感して、
否定せずに受け入れるけれど、
その考えに同調はしない。

自分の意思で明確に、
そのスタンスを取ることで、
ASD(自閉スペクトラム症)で、
愛知着障害があり、
HSPの気質を持っている私でも、
自分の意見全てに、
同意を求めてくる部下Bに対し、

適度なバウンダリー(自分と他人の境界線)

を、取ることが出来たのでした。

そしてもう一つ、
私はイメージのバウンダリーも、
使っていました。

自分の体を、
優しくて強い光が包んでいて、
悪い黒い気持ちは、
入ってこれないイメージです。

優しい祈り
私はASDの特性からか、
思い込みが強い分、
イメージの影響を強く受けます。

それは以前、
とあるスピリチュアルを教える講師から、

「両親をイメージの中で残虐に殺しなさい」

という指導を受けて実践した結果、
心身に異常を来した時に、
思い知ったことでした。

けれど、そんな過去の辛い思い出も。

「自分はイメージの影響を強く受ける人間なのだ」

と理解するためのものだったと思えたなら、
自分のこれからの人生に、
活かしていくことが出来ます。

今回、部下Bに対して、
私がイメージで、
バウンダリー(他人との境界線)を取ろう、
と思ったのも、
この時の経験を思い出して、
自分に最適な方法だと思ったからでした。

その考えは大当たりで、
その日は部下Bの話を聞いていても、
具合が悪くなることもなく、
残業で帰宅が遅くなってしまったものの、
お風呂に入る元気も残っていました。

ASDや愛着障害、
HSPで人の感情に飲み込まれ易い人は、
イメージによるバウンダリー、
かなり良いのではないか、と思います。