社会との関わり方

社会に出ることで身に付けたASDの私の処世術

職場のパーティー

ASDの私が優先順位をつけられる理由

ASD(自閉スペクトラム症)の人は、

「優先順位を決めたりするのが難しい傾向がある」

と、
NHKハートネットで読みました。

けれど私は、
23年間続けている今の仕事であれば、

「何を優先したらいいか?」

は、自分の中でちゃんと、
現状に合った、
優先順位をつけることが出来ます。

それは自分の中での考え方が、
合っているわけではなくて、
23年間という長い時間をかけて、
仕事の優先順位を、
間違えながらパターン化して、
"覚えて"いったからでした。

ASDの人は、
初めて行うことに関しては、
定型発達者との考え方の相違から、
一般的な優先順位と、
違う判断をしてしまうことが、
あるかもしれないけれど、
それをパターンとして覚えてしまえば、
ちゃんと定型発達者と同じように、
優先順位をつけていくことが出来ます。

だから今まで人間関係で苦労して、
人と関わることに臆病になっている、
ASDの人も多いだろうけれど、
私は出来るだけ早いうちに、
失敗しそうな色々な経験を、
積んでいくことをお勧めします。

失敗する年齢が若ければ若いほど、
失敗を許される範囲も、
広くとってもらえるから。

失敗するのが怖いからと、
色んなことに挑戦せずに、
年齢を重ねていってしまってから、
定型発達者さんが当然出来るような、
失敗をしてしまうと、
とても冷ややかな対応をされてしまい、

「やっぱりASDの私はダメなのだ」

と落ち込むことになってしまいます。
(経験談)

私がこんなことを言うと、

「もう私は若くないから」

と、
やっぱり色んなことに挑戦しない理由を、
見つけてしまう人が、
いるかもしれないけれど。

何かに尻込みしそうになった時に、
私が自分に言ってあげる言葉。

「今日がこれからの人生で一番若い日」

今日、何かをしようと思ったあなたが、
これからの人生の中で、
一番若いあなただから。

怖い気持ちのままでいいから、
飛び込んでみてください。

かくいう私も、
自分の夢を叶えるために、
新しい人達の集まりに、
先週末、飛び込んできました。

SNSで何回かその人達とやりとりをして、
自分の思ったことが、
皆んなに上手く伝わっていなかった時に、

「失敗も経験。笑い飛ばしていこうね」

と励ましのメッセージを相手からもらって、

「あれ?私は失敗していたの??」

と、
自分が失敗したと思っていなかったことで、
励まされて、
この人達の失敗の定義が、
自分と違ってかなり狭いことを知り、
自分がこの人達の集まりの中に行くのは、
場違いじゃないか、
考え方の違いから、
とても辛い思いをするんじゃないか、
なんて心が竦みそうになっていたけれど。

恐れて何も出来ないでいたら、
私の夢も、
現実に近づけることは出来ないから。

行ってみて場違いだと思ったら、
辞めてもいい。

ただ理由をつけて、
やる前から諦めてしまうのはやめよう。

そんな気持ちで、
自分の心を奮い立たせて参加しました。

ASDと定型発達者の、
思考の違いは経験で補えると、
私は自分の経験で知っているから。

それでも辛い思いをしたら、
私にはこのブログという、
自分の気持ちを吐き出す場所があるから。

怖がりな私は、
逃げ道を確保して、
怖いことに臨むのでした。

職場のパーティーで"ぼっち"の私が挑戦したこと

先日の夜は、
私が勤めている支社がお世話になっている、
取引先をご招待しての、
パーティーがありました。

自由参加とは名ばかりの、
支社の社員は強制参加のこのパーティー。

私も仕事の一環として参加したものの、
このような人が多いパーティーは、
ASD(自閉スペクトラム症)であり、
愛着障害も併せ持つ私は、
本来、得意ではありません。

でも、いつもの私なら、

「ちゃんと普通の人達と同じようにしなくっちゃ」

と、
本当は楽しめていないのに楽しいフリをして、
"ぼっち"だと周囲の人に思われないように、
一生懸命に人と関わろうとするのですが、
そうするととても疲れて、
しかも空回りしてしまう自分を感じて、
自己嫌悪に陥ってしまうことも、
たびたびあったため、
今日の私は自分の心を大切にして、

「無理して楽しいフリをしない」

ということを心掛け、
自分から敢えて人に話しかけることを、
辞めてみました。

そうすると、
普段から職場では仕事の話しかしない私、
特に雑談する仲の良い相手もいないため、
見事に"ぼっち"状態になります。

やはり以前の私なら、
ぼっち状態を脱出するために、
誰かに話しかけて欲しいと、
周囲に異様に、
神経を張り巡らせたりするのですが、
今日の私は、

「"ぼっち"だからって、無理して誰かと繋がろうとしなくてもいいや」

と、
いつものように自分の周囲に気を配り、
自分の入れそうなグループを探すこともせず、
ただひたすら"ぼっち"の自分の、
状況を受け入れていました。

そうすると、
やっぱりパーティー自体は、
つまらなかったものの、
パーティーが終わって、
家に帰ってからの心の回復が早くて、
いつもならこんな状況の後は疲れ果てて、
お風呂に入る元気さえなくなるのに、
今日はちゃんと湯船に浸かって、
ゆっくりブログを書くことさえ出来ています。

普通に憧れて、
普通のフリをして、
生きようとしていた頃の私は、
きっと、
今日のパーティーでの"ぼっち"な自分を、

「人から相手にされない人間」

だと、卑下してしまっていたと思うけど、
きちんと精神科で心理検査を受けて
精神科医の診断で、

「知能が高いため、ASDの中のアスペルガー症候群と言われていたものに、該当すると思います」

と言われていた私は、
自分の性格が良い悪いに関係なく、
"ぼっち"になりやすい性質なのだと、
自分で納得がいくようになってから、
集団の中での"ぼっち"な自分も、
以前のように悲しくなることなく、
受け入れられるようになりました。

きっと私は、
"ぼっち"な自分を、
人から嫌われていると感じて、
そのことが悲しかったのだと思います。

でも"ぼっち"は特性なのだと、
自分が嫌われているからではないのだと、
理解することで、
私の心は救われたのです。

やっぱり自分に無理をさせないために、
自分を知ることは、
生きていく上でとても大事なのだと思います。

だって私は、
精神科医という、
専門性のある立場の方の診断により、
自分を、
"ぼっちキャラ"だと受け入れたからこそ、
今日のパーティーで、

「自分に無理をさせず"ぼっち"のまま過ごす」

というチャレンジが出来たのです。

そして、このチャレンジは、
家に帰ってから疲れていないという、
私にとって大成功と言える、
成果を出すことが出来たのです。

ありのままの自分でいいと、
思える理由がまた1つ、増えました。

こうやって自分が自分で生きることの、
大切な理由を、
積み重ねていくことが、
発達障害グレーゾーンの、
生きづらさを緩和するために、
必要なことなのだと思います。

更にぼっちの挑戦

そして今日は自分の夢を叶えるために、
新しく学び始めた講座の初日の日でした。

初日、だったので。

初対面の人が多いのかと思っていたら、
皆さんお知り合いのようでビックリ。

私が顔と名前が分かった受講生は、
講座開始前に、
フェイスブックとブログで繋がった、
お一人だけ。

何で皆んな知り合いなのだろうと、
不思議に思っていたけれど、
皆さん、この講座が始まる前に、
SNSなどで交流があったり、
事前に行われた講座の説明会や、
講座の体験会に参加されて、
顔を合わせていたようでした。

皆さんが知り合いを見つけて、
楽しげに話す様子を見ていたら、
何だか自分が子供の頃の、
小学校の入学式のことを思い出して、
少し切ない思いを感じたのだけれど。

あれから40年ほど生きてきて、
ASD(自閉スペクトラム症)の、
自分の興味のあることにしか、
関わらない性質は、
例え自分に悪気は無くても、
人と交流する中ではとても身勝手なのだと、
実体験から学んでいた私は、

「毎日の仕事が忙しくて、
講座の説明会や体験会に参加せず、
講座の受講生の人達と事前に、
SNSで交流しなかったのは自分の選択」

と、
この状況を招いたのは自分なのだと、
きちんと理解することが出来たため、
自分が嫌われやすい人間だからなのだと、
自己卑下することなく、
現状を受け入れることが出来ました。

そして。

今年度に入ってから、
困った定型発達者である部下Aの、
仕事のフォローで忙しかった私に、
そんな余裕は無かったため、
今のこの状況が、
自分にとって最善だったのだ、
とも思いました。

だから、後は。

昨日のパーティーと同じように、
自分の心に無理をさせることなく、
"ぼっち"は"ぼっち"のまま。

無理して輪に加わろうとすることなく

そして

自分から相手を拒絶することなく

その講座の場に居続けました。

この「自分から相手を拒絶することなく」
っていうのが、
実は"ぼっち"でいる時に難しい態度で。

"ぼっち"でいることを、
自分の心に無理をさせて頑張ってしまうと、
変に肩肘張った、
人を拒絶しているような態度に、
なってしまうのだけど。

私は決して、この講座の中で、
一匹狼になりたい訳ではなかったので。

「皆んなと交流したい気持ちはあるのだけど、
知らない人ばかりだから、
少しずつ打ち解けようとしています」

という、
自分の気持ちを正直に、
態度に表すように努めました。

そしていつもなら、

「皆んなと仲良くならなくちゃ」

と疲れた体に鞭打って参加していた、
講座の後の懇親会も、

「疲れているから参加せずに帰ります」

と、
ちゃんと自分の気持ちを伝えることが出来て、
そして、無理して懇親会に参加しなくても、
講座が終わる頃には、
少しだけ皆さんと打ち解けて、
話すことが出来るようにもなりました。

講座の参加者の皆さん、ぼっちでいる私も話の輪に入れてくれて、優しかったです。

今日も色々頑張った、
"ぼっち"の挑戦。

やっぱり人と関わることが苦手な人間は、
自分に無理をさせずに、
ゆっくりと人との距離を詰めていく方が、
結果的には上手くいくのだと、
また今日も思ったのでした。