社会との関わり方

職場で態度の悪い相手を思い遣った結果

怒っている女性

わたしの下には4人の部下がいます。

そのうちの1人から、
わたしはとても嫌われています。

わたしが彼女の持ってくる書類の間違いを、
よく見つけてしまうことで、
自分はこの仕事に詳しいのだと、
自負していた彼女のプライドを、
酷く傷つけたようでした。

陰でわたしに対する文句を、
言っているのは知っていましたが、
そのことに対して、
わたしは反論することはしませんでした。

もちろん、
とてもイヤな気持ちはしていましたが、
わたしは彼女と争いたい訳では、
なかったからです。

わたしが彼女の、
仕事の間違いを指摘するのは、
それが上司であるわたしの仕事であり、
わたしがその書類を認める時には、
それは何かあったらわたしが責任を取る、
そのつもりで書類を、
点検しているからでした。

だから、彼女に嫌われても、
無視されても辛くても、
たとえ職場に味方が1人もいなくて、
皆んなが帰った後に、
事務所で1人で号泣したとしても、
最低限譲れないラインは、
守って働いてきました。

でも、わたしもやっぱり人間なので、
「彼女のことが嫌い」
って、
いつも一緒にいてくれると感じる、
私を守ってくれているであろう存在達に、
訴えていました。

これは私が好きな魂カウンセラーさんに教えてもらった【自分の味方をつくる方法】です。気になる方はこちらをご覧ください。

そんな中、
わたしが以前指摘した間違いを、
彼女がまたやってしまっている書類が、
回ってきました。

わたしは以前と同じように、

「間違っていますよ」

と言って書類に付箋を貼って、
彼女に返しました。

彼女には以前、
同じ間違いを指摘した時に、
なんで間違っているかを、
法律を示して説明したのですが、
その時、
間違いを指摘されたことに、
怒っていた彼女は、
わたしの説明を全く、
聞いていなかった為に、
また同じ間違いを、
繰り返してしまったようでした。

彼女はわたしが書類を彼女に返した後、
自分の仲の良い同僚に、

「以前の書類と同じように書いたのに、
何が違うの?!」

と激しい口調で、
わたしに対する文句を並べ立てていました。

わたしは説明したかったのですが、
自分から彼女に対して口を開くと、
更に彼女の機嫌が悪くなるので、
わたしは口を出したい気持ちを抑えて、
そのまま自分の仕事をしていました。

すると、
仲の良い同僚に尋ねてみても、
わたしが書類を間違っていると、
言った理由が分からなかったらしく、
彼女はわたしの机の前まで歩いてくると、
わたしが返した書類を、
バンッとわたしの机の上に叩きつけて、

「何でこの書類が間違ってるんですか?!」

とケンカ腰で聞いてきました。

その時、わたしの頭の中には、
2つの選択肢が浮かびました。

  1. わたしもケンカ腰で、「こんなことも知らないの?」と、バカにしながら教える。
  2. 普通に親切に教えてあげる

でも、2つ浮かんだ選択肢を選ぶのに、
わたしが迷うことはありませんでした。

とてもプライドの高い彼女が、
嫌っているわたしに教えを請うなど、
きっとしたくなかったこと。

それを敢えて、
自分を曲げて聞いてきてくれたことが、
わたしは嬉しかったのです。

何度もいうように、
わたしが彼女の仕事の間違いを指摘するのは、
彼女と争いたい訳ではなく、
ただ自分が責任を持てる仕事をしたいから、
だけだったからです。

だから、ようやく、
わたしの言うことに、
彼女が耳を傾けようとしてくれたのは、
わたしにとっても、
とても有り難いことでした。

わたしは彼女の仕事の間違いを指摘する時、
いつも彼女の反発を覚悟して、
意を決して話にいくため、
心臓の鼓動が速くなり、
時々おかしな脈を打つこともあるくらい、
激しいストレスを感じていたからです。

だからわたしは、
怒り口調の彼女にたいして、

「あのね、これはね…」

とすんなり、
優しく話しかけることが出来ました。

その瞬間、彼女の驚きと、
戸惑いが伝わってきて、
やっぱり彼女は、
わたしに酷い態度を取られることを覚悟して、
それでも聞きにきてくれたことが、
分かりました。

優しく話してあげることが出来て良かった、
と思いました。

そして。

次の日に、
わたしは彼女に会社の送別会の件で、
話しかけなければいけない用事があって、
前日に書類を返した時に、
怒った彼女が、

「もうあの人と話なんかしない!!」

と同僚に向かって、
言っているのが聞こえていたので、
彼女に話しかけるのが、
とても怖かったのですが、
何とか勇気を振り絞って彼女に話しかけると、
彼女は硬いながらも、
返事をしてくれました。

わたしはホッとして、

「やっぱりあの時、自分の感情に任せて、
嫌な態度を取らなくて良かったなぁ」

って思いました。

わたしが彼女の間違いを指摘するのは、
ただきちんと働きたいだけだということ。

少しでも、
彼女に伝わったのなら嬉しいです。

怒りに怒りで返してしまうと、
その時はスッキリしても、
争いの連鎖が続いて、
結局イヤな気持ちを、
味わい続けてしまうから。

なら、わたしは、怒りで返さないほうがいい。

それに、人にイヤな態度で接するよりも、
親切にした方が自分の気持ちがいいから。

気持ちよくいられて、
争いを断ち切れる言動を選べた自分に、
成長してこれたことが、
とっても幸せに感じました。