発達障害(ASD)グレーゾーン

会社全体で1人だけ違う発達障害グレーゾーンの視点は会社にとっても役に立つ!

私の勤める会社は全国に支社や営業所を持つ、
わりと大きな会社です。
勤務している社員の数は千人を超えていて、
私と同じ業務をしている人間も、
全国に100名以上は存在しています。

それだけの人数がいたら、
業務を進める上で、私と同じ意見を持つ人が、
1人位はいそうなものですが、
発達障害グレーゾーンの私と、
同じ意見を持つ人はなかなか現れず、
私が業務を進める上でおかしいと感じた事を、
本社に確認すると、意図せずに時々、

「本社 対 私」

という構図に陥ってしまう事があります。

私は決して、
本社の間違いを正そうなどという、
大それた事など考えていないのですが、
こんな状況に時々陥ってしまうのは、
日本全国にいる、
私と同じ業務に就いている人間が、
誰も疑問に思わなかった事、
もしくはおかしいと思っていても、
大した事ではないと、
受け流していた事に対して、
私がいちいち、
おかしいと思う疑問点を口にしてしまう事が、
原因の一つではないか、と思います。

それは自分でも感じていた為、
私は自分の人生を生き易くする一環として、
おかしいと思っていても、
自分に決定権の無いものだったり、
自分と関係ない事に対しては、
意識して、
口に出さないようにしていたのですが、
今日、本社に問い合わせた点は違いました。

それは、私が主務としている業務に対して、
今回、本社がしてきた指示が、
以前決められた社内規則と矛盾していた為に、
実務上、困るだろうと思い、
私が九州支社を経由して、
本社に確認した事項でした。

けれど、初めは誰も、
私が指摘した矛盾を、
理解してくれる人はいませんでした。

私は地方の一営業所に勤めている立場な為、
業務に関する質問を、
直接本社に送る事は出来ません。

まず、九州支社の中の、
私がしている業務を取りまとめている、
担当者に、
本社の指示のどこが、
社内規則と矛盾しているか、
説明して、
理解してもらわなければならないのですが、
九州支社という、
大きい場所で働いている担当者は、
営業所の窓口業務の経験がなかった為、
私が矛盾していると言っている内容が、
どんなに電話で一生懸命説明しても、
理解出来ないようでした。

九州支社の担当者からは、

「それの何がいけないの?」

「本社の説明で何で納得できないの?」

と言った感じの返答が、しばらく続きました。

九州支社の担当者の、
まるで私が、
クレーマーであるかのような応対を受けて、
私の心はとても悲しくなりました。

発達障害グレーゾーンであるが為に、
他の人と違う視点、
ものの考え方をしてしまい、
皆んなが気付かない事に、
気付いてしまうけれど、
誰も私の言っている事を理解してくれない、
孤独。


でも、このような対応を、
九州支社の担当者にされるのは、
これが初めてではありませんでした。

(こうやって私は、
人から煙たがられていくのだな)

それは、私にとって、
あまり嬉しくない現実でした。

このような議論になった場合には、
例え自分の意見の正しさを、
相手に認められたとしても、
相手から反感を買ってしまう事を、
発達障害専門カウンセリングで覚えた私は、
私を厄介者扱いする、
九州支社の担当者に対して、
一つだけ質問をして、
この議論を譲る事にしました。

「矛盾していないというなら、
本社の指示通りにします。
ただ、最後に1つだけ確認させてください」

私は前置きでそう言うと、
矛盾が起こった時の具体例を出して、

「その場合でも、
本社の指示通りにしていいんですね?」

そう念を押しました。

私がそう言って初めて、
九州支社の担当者は、
口をつぐんで考え込みました。

今までの議論の中でも、
同じような例を出して話をしていたのですが、
あくまで

「本社の指示が正しい」

と思って私の話を聞いていた担当者には、
きちんと私の言葉は届いていなかったようで、
私が”最後の確認”という言葉を使って初めて、
本気で取り合ってもらえたようでした。

「そこはちょっと本社に確認してみます」

そう言って、
九州支社の担当者は私との電話を切りました。

そして、しばらくすると、
九州支社の担当者から、

「本社に確認したところ、
確かにそうですね、だそうです。
あなたの言われた矛盾について、
どう対応するのか今から検討しますので、
決まったら連絡します、との事でした」

という返答が返ってきました。

私は自分の言っている事が理解してもらえて、
矛盾している本社の指示通りに、
業務をせずに済んで、
心底ホッとしたのですが、
同時にとても疲れてしまいました。

自分が矛盾に感じた事を理解してもらう為に、
1時間程の時間を費やす事になったからです。

私には、
なぜ自分と同じ業務をしている、
100名以上の人間が、
本社の矛盾した指示通りに仕事が出来るのか、
理解する事が出来ません。

なぜ、私が気になるこの矛盾を、
誰も気にしないのか、
理解する事が出来ません。

こんな時、とても孤独だと思います。

でも、私が気付かなければ、
この矛盾で困る状況が、
起きてくるはずなのです。

発達障害グレーゾーンで、
人と違う視点を持っているからこそ、
気付けた矛盾。

それは有用と言っていいのではないか、
と思うのです。

今はまだ、
人に理解されなくて、
悲しくなる事もありますが、
ソーシャルスキルトレーニングを活用しつつ、
発達障害グレーゾーンの有用性を、
示していく事で、
もっと、発達障害グレーゾーンが、
活躍できる社会になるよう、
少しでも尽力出来れば、
と思っています。