社会との関わり方

人の評価は最後に分かるもの

2年前にやってきた今の支社。

転勤のため、
13日の金曜日までの勤務でした。

2年間、色んなことがありました。

自分の仕事もまともに出来ないくせに、
私を無視したり、
たまに話しかけてきたと思ったら、
私にダメ出ししてくる男の人

思いつきで色んな仕事を増やしては、
後は私に丸投げしてくる課長。

自分の仕事に責任を持たない部下Aの、
仕事のフォローに明け暮れた日々。

そして。

以前一緒に働いた時には、
とっても仲が悪かった部下Bとは、
自分がASDや、
愛着障害であると知ってから学んだ、
コミュニケーションの取り方を、
実践したおかげで、
体調を崩した時に、
心配されてプレゼントを受け取るまでに、
人間関係を改善することが出来ました。

お見舞い

ASDの特性からか、
雑談などというものを殆どしないため、
職場の誰かと、
特別仲が良かった訳でもない私は、
淡々と自分の荷物をまとめて、
同じ部署の皆さんに挨拶をして、
部屋を出ていこうとしました。

けれどその時、
課長は誰かと電話で話をしていて、
課長の電話は長くて有名だったため、
私は課長の机の前に立って、
頭を下げて出ていこうとしたのだけど、
その時、課長が、
私の予想外の行動を取ったのです。

「ごめん、ちょっと電話切るわ。
後からまた、かけ直す」

そう言って課長は、
電話を切って私に向き合いました。

正直、
私は課長のこの行動にビックリしました。

仕事に融通を効かせて、
自分の思ったように柔軟に行いたい課長と、
決められたルール通りに、
きっちり行いたい私とは、
意見が合わないことも多かったからです。

そのため私は、
課長から素っ気ない態度を、
取られることも多く、
課長お気に入りの部下Cは、
その態度を見て、

「課長って係長(私のこと)が嫌いだからって、
態度が酷いですよね」

と私に言い出す程でした。

ちなみに私は、課長のその態度は普通だと思っていて、
自分が嫌われているとは感じていませんでした。

だから課長が。

電話よりも、
私への挨拶を優先してくれたことに、
とても驚いてしまったのです。

課長は私に対して、

「あなたの仕事のことは心配していない。
あなたはどこででもやっていけると思う」

と言ってくれて、

私と握手をするために、
片手を差し出してきました。

私は課長がそんな態度を取ってくれるとは、
思わなかったため、
思わず泣きそうになってしまいました。

課長から自分の働きぶりが、
ちゃんと評価されていたことが嬉しくて。

私は戸惑いながら、
おずおずと課長に手を差し出しました。

課長はとても力強く握ってくれたため、
私も負けないように、
渾身の力を込めて握り返しました。

課長から受けた評価と、
握手を求められた嬉しさが、
ちゃんと課長に伝わって欲しくて。

握手する男女

課長は部屋から出た私を、
廊下まで見送ってくれました。

私はそんな課長の態度が嬉しくて、
振り向きながらペコペコと、
頭を下げました。

そして、いざ会社のビルを出たら。

昨年4月に入ってきた新人君が、
私の後を追ってきてくれました。

「係長、お世話になりました!」

そんなことを言ってくれるような、
熱い感じの子では無かったため、
私は嬉しくて、

「ありがとう。頑張ってね」

と笑顔で言葉を返しました。

辛いこともいっぱいあったけど。

課長や新人君の私に対する見送りだけで。

私のこの支社での2年間は、
とても良かった思い出になりました。

終わり良ければ全て良し、ってホントですね。

この支社で、
私と関わってくれた皆んなに、
たくさんのありがとうの気持ちを持って。

私はとても幸せな気持ちで、
この支社を後にすることが、
出来たのでした。

花束

花束も、ありがとう。