4月にうちの支社にやってきた部下A。
自分の仕事でも分からないことは、
「教わってません」
といった風で、
自分から知らないことを調べようとしないし、
自分でやり方を考えようとせずに、
何でも私に聞いてきます。
そのくせ、私がやり方を教えると、
「以前私がいた支社では、
そんなやり方してません」
などと言って、伝えた通りには動かない。
今日は帰り際に本当にイラッときて、
「私の言うやり方が絶対ではないし、
あなたのやり易いやり方で、
やっていいんですよ!」
と言ったら、
「やり易いやり方が分かりません」
と自分で考えもせず言ってきたので、
本当に腹が立ってしまいました。
そんな私の感情は態度に出てしまい、
その部下Aとは違う別な部下Bが、
自分も私を怒らせたと感じて、
気にしてしまっていたため、
私はその部下Bが帰るのを待って、
「誤解させてごめんなさい。
あなたに怒っていた訳じゃないの」
と嫌な気持ちにさせてしまったことを、
謝りました。
その時に、
私と私を苛つかせた部下Aとのやり取りを、
聞いていたその部下Bは、
私が苛ついている気持ちに、
共感してくれたため、
私は溜まっていた苛つく気持ちを、
その部下Bに聞いてもらっていました。
「上司が部下に愚痴るのは良くない」
という思いが頭をかすめましたが、
部下Aも部下Bも私の先輩であり、
部下Bも部下Aの態度はおかしいと、
思っていたため、
そのまま、
私の気持ちを聞いてもらうことにしました。
そうしていたら、
私とその部下Bが話していた後を、
私を苛つかせた部下Aが通っていきました。
私は話している途中で、
その部下Aが後ろから来ているのに、
気付いたのですが、
急に口をつぐむのはおかしいと思って、
そのまま、その部下Aに対する不満を、
部下Bに言い続けました。
部下Aは無言で、
私と部下Bの横を通り過ぎていきました。
私は部下Aへの不満を、
部下Aに聞かれてしまったことを、
後悔してしまいました。
それは、
陰で私が部下Aの悪口を言っていると、
部下Aに思われたくない、
と思ったからでした。
陰で私が部下Aの悪口を言っていることで、
部下Aに嫌われてしまったらどうしよう、
という気持ちが、
私の心の中に沸き起こりました。
それは、部下Aが徒党を組んで、
事務所で自分に対して、
嫌がらせをしてくるのではないか、
という懸念が、
私の中に沸き起こったからでした。
この思考は、過去に自分が人を怒らせて、
虐められた経験から、
沸き起こった思考でした。
「部下Aへの不満など、
口にするんじゃなかった」
と、私は後悔しました。
でも、そこで私は、
こんな風に自問し直しました。
「本当に部下Aへの不満を口にしない方が、
良かったのだろうか?」
私はその時、涙が目に滲むほど、
部下Aの態度に苛ついてたまりませんでした。
そんな私の気持ちを、
共感して聞いてくれた部下Bに、
私は感謝さえしていました。
「いや、聞いてもらえたから、
私の心はここまで落ち着いたのだ」
と、私は思いました。
私の部下Aへの不満は、
本当に思っているものだから、
言ったことを後悔するのはやめよう、
と思いました。
そのかわり。
その部下Aへの不満を、
部下Aと揉めた時に、
その都度ちゃんと口にしよう、
と思いました。
それは先日参加した、
アサーション・トレーニングでも、
言われていたことでした。
「怒りは溜めずに小出しに出すこと」
でないと、
自分が怒りを溜めていたことなど、
知らない相手には、
自分が急に怒りだしたように、
受け取られてしまい、
何で自分が、
そんなに怒っているのか伝わらず、
怒りを小出しにするよりも、
人間関係に大きな影響を与えやすいと、
言われていました。
私は部下Aに腹が立っていたけれど、
過去に虐められたトラウマから、
徒党を組まれて嫌がらせをされるのが、
怖かったために、
怒りを小出しすることが出来ず、
怒りを爆発させてしまったのでした。
ASD(自閉スペクトラム症)である私は、
自分の感情をきちんと相手に伝えることが、
あまり上手くありません。
とっさの時に言葉が出てこないし、
考え方が定型発達者と違っていることも多く、
いくら言葉を尽くしても、
理解されないことも多かったため、
人に理解してもらう努力を、
初めから放棄しようとする傾向もあります。
でも、だからこそ怒りを溜め込んで、
爆発させてから感じた後悔。
こんなことを繰り返すのは嫌だ、
と思いました。
ずっと、ずっと、
人に嫌われるのが怖くて、
人に対して怒りを表現出来なかった私。
でも、それでもやっぱり、
嫌な思いをするのなら。
怒りを表現して嫌な思いをする人になろう。
そう、決意したのでした。