社会との関わり方

相手を受け入れる態度をとることで会社で過ごしやすくなる

私の勤務する部署では、個人情報を扱います。
それは、同じ営業所に勤務するもの同士でも、
担当が違っていたら、
教えてはならないものです。

今日、その個人情報の件で、
ちょっとしたトラブルがありました。

私は営業所の係長なので、
課長から呼ばれて、
トラブルの内容を聞いたのですが、
その様子をみていたお局部下も、
何の話かと近寄ってきました。

お局部下の担当ではない話だったので、
私はその話を聞かせたくなかったのですが、
同じ事務所内で話していた為、
あからさまに隠すことはしませんでした。

そのような事をすれば、
お局部下がまたへそを曲げてしまい、
仕事がやり辛くなる事が分っていたからです。

私と課長の会話をきいて、
何が起こったかを察したお局部下は、
聞いていないのに、
これからどうすればいいかを、
私と課長に意見してきたのですが、
私はそれが嫌でたまりませんでした。

お局部下は、
一般職としてずっと同じ仕事をしている為、
転勤のたびに違う業務に就く、
私や課長のような総合職の人間より
自分の方がずっと、
今の仕事に詳しいという自負があります。

だから、今回のような、
面倒なトラブルが発生したら、
自分の力が必要になると思って、
自分から、
私と課長の話を聞きにきたようでした。

けれど私は、
今回のようなケースは何度か経験していた為、
特にお局部下の力を借りなくとも、
対応できるトラブルでした。

正直、彼女が力を貸してくれる事よりも、
彼女の担当ではない人間の個人情報が、
彼女に流れる事の方が、
私にとっては重大な事だったのですが、
課長も課長補佐も、
特に彼女に対して何も言わなかった為、
私も彼女を注意する事はしませんでした。

私は自分でも思いつく程度の、
アドバイスをしてくる彼女の事を、
心の中では煙たく感じていながらも、
ソーシャルスキルトレーニングで習った、
クッション言葉や、
相手を受け入れる態度を活用して、
お局部下の言葉を聞いていました。

これは今までの私なら、
あり得ない行動でした。

以前の私なら、
まず関係のない彼女が、
話に加わる事を良しとせず、
決して彼女に口を出されないように、
課長と私の会話を聞かれないようにして、
彼女を締め出し、
彼女の話を聞く耳など持ちませんでした。

やってはいけない事はやってはいけない。

発達障害グレーゾーンとしての、
決められた事は、
きっちりとやらなければ気が済まない性分が、
聞く権利のない彼女が、
話に加わる事を認められず、
このような態度を私に取らせていたのですが、
私以外の職場の人間は、上司でさえも、
私のように厳密に、
個人情報を守ろうとはしておらず、
ただ決められたルールを、
ちゃんと守ろうとした私の方が、
融通の利かない人間として、
面倒くさく扱われる事が度々ありました。

その度にいちいち傷ついていたのですが、
職場ではなく、
絵画教室に自分の居場所を定めた私は、
この営業所は、
自分が身を粉にしてまで、
尽くすべき場所ではないのだ、
という結論に至ったため、
自分一人で、
周囲と揉めてまで、
正しい事を行おうとすることを、
すっかり辞めてしまったのでした。

職場で、
円滑に過ごす為の一環としてとった行動で、
心からの同意ではなかったものの、
お局部下の言葉を、
受け入れる態度をとった私に、
お局部下は満足してくれたのか、
その後、
この件に関して口出ししてくる事はなく、
私の見落としていた事項を、
調べて教えてくれるなど、
裏からサポートする形で動いてくれたため、
私はとても助かりました。

相手を受け入れたら、相手も自分を受け入れてくれる。

以前、発達障害専門カウンセリングで、
カウンセラーが私に言っていた言葉。

その言葉の効果を、
今日まざまざと実感しました。

発達障害グレーゾーンの特徴である、
こだわりが過ぎると、
相手の事を受け入れることは出来ません。

自分のこだわりを通して生き辛く生きるのか、
自分のこだわりを曲げて生き易く生きるのか。

どちらを選択しても、
多少の苦しみはついてきます。

それであれば、
自分が人生の中で、
優先したいものは何なのか。

私は、絵画教室に、
自分の時間とエネルギーを使いたいから、
仕事に対するこだわりはなるべく捨てて、
そこに費やすはずだった時間とエネルギーを、
絵を描く事に回そうとしています。

あなたが人生で優先したいことはなんでしょうか?

それによって社会との関わり方も、
自分の中で受け入れられる事も、
変化してくるのだと思います。