回想録

ブルマーの思い出

善人と悪人

マルトリートメントと私.小学生編
という名前で、
自分の小学生時代の、
まとめ記事を作りましたが、
私の小学生時代は学校でも家庭でも、
本当に色々な生きづらさの素が、
植え付けられた時期だったため、
まだまだ、
書ききれないエピソードはいっぱいあります。

そのため、
思い出したたびに少しずつ、
『回想録』といったカテゴリーで、
書いていってみようと思います。

私の過去回想に、
もし、お付き合いいただける方が、
いらっしゃいましたら、
よろしくお願い致します。

で、長々と前置きを書いたのですが。

何を回想したのかというと。

昨日の記事を書いた時に、
私が小学校に入学したての頃に起こった、
エピソードを思い出しまして。

それはまだ、
私が小学校という新しい世界に、
胸をワクワクさせていた時だったため、
本当に何も分かっていない、
入学して数日くらいのことだったと思います。

私のいた1年生の教室に、
見知らない、
2年生の女の子2人がやってきました。

その女の子のうちの1人は私を見つけると、
すごく親しそうな顔で近づいてきて、

「じゅんちゃん、ブルマーを貸してくれない?」

と言って来ました。

【ブルマーって何?と思われる最近の子のために注釈】
ブルマーは下着(パンツ)の上に穿く運動着で、私が小学生の頃は広く用いられたのですが、下着(パンツ)とほぼ同じ形だったため、苦情が多く廃止されました。

赤いパンツの赤ちゃん
(この赤ちゃんの赤いパンツが黒や紺色になった感じです)

私はその女の子のことを知らなかったため、
戸惑っていたのですが、
その子の話すところによると、
その子と私は地域ごとに組まれている、
同じ子供会に所属していて、
一緒に登校しているということでした。

私の通っていた小学校は、
所属している子供会ごとに、
登校するようになっていて、
学校側からの指導で、
入学したての1年生は、
上級生のお兄ちゃんやお姉ちゃんに、
手を引いてもらって、
登校することになっていたため、
お姉ちゃんに手を引かれるのが、
嬉しかった私は、
お姉ちゃんのことばかり見ていて、
1学年上のその女の子の存在に、
気付いていなかったようでした。

私はその女の子のことを、
知らなかったけれど、
自分のことを知ってくれていて、
親しげに話しかけられたことが嬉しくて、
その子にブルマーを貸してあげました。

その子と一緒にいた女の子も、
ブルマーを忘れて借りにきていたらしく、
私が貸してあげた女の子は、
私が自分のブルマーを渡すと、
一緒に来ていた、
まだブルマーを借りられていない、
友達に対して、

「ほらね!私、貸してもらえた!!」

と、とても得意げに自慢していました。

私はその女の子の役に立てたことが嬉しくて、
その女の子の笑顔は、
自分がブルマーを貸してあげたからだと、
とても誇らしい気持ちで、
いっぱいだったのですが、
借りる時にはニコニコしていたその女の子は、
その後、
一向に私にブルマーを返しに来ず、
土曜日になっても返してくれなかったため、
上級生のその女の子に、
ブルマーを返してと言えなかった私は、
そのことを気に病んだまま、
ブルマーの入っていない体操服入れを、
持って家に帰りました。

この頃は、小学校は土曜日も午前中まで授業がありました。

私の体操服を洗濯しようとしたお母さんは、
体操服入れの中に、
ブルマーが無いことに気付くと、
私に理由を聞いてきました。

私が理由を話すと、
私がブルマーを貸した女の子に、
見当をつけたお母さんは、
それからすぐにその女の子の家に電話して、
夜の7時くらいだったと思うのですが、
その子の家まで、
ブルマーを取りに行ってくれました。

この頃は、小学校にはまだ電話連絡網というものがあり、
大抵の家の子の電話番号は調べることが出来ました。

私はお母さんに、

「ちゃんと返してって言わないとダメでしょう!!」

と怒られたことと、
夜にお母さんに相手の家まで、
ブルマーを取りに行かせてしまったことが、
申し訳なくて、
人の役に立ててあんなに嬉しかったのに、
すっかり悲しい気持ちになってしまいました。

今にして思えば、
これが私が人に利用されたと、
自分の人生で感じた、
1番最初の出来事だったかもしれません。

善人と悪人

昨日の記事で、

「自分が相手を大切にした分だけ、相手も大切にしてくれる」

と書いた後に、

「自分を利用したり、大切にしてくれない人も存在している」

と付け加えたけれど。

人の言葉の裏を読まずに、
簡単に相手の言うことを信じてしまう、
ASD(自閉スペクトラム症)の性質も。

人の愛情を欲していて、
そのために自分を犠牲にしてまでも、
相手の役に立ちたいと思ってしまう、
愛着障害の性質も。

どちらも人に利用されやすいものなので。

自分が大切にする相手は、
キチンと選ばなければいけないと、
昨日の記事を書いた後に思ったのでした。