発達障害(ASD)グレーゾーン

ASD(自閉症スペクトラム)の特性のために起きたのは感謝する出来事か、失敗した出来事か?

女性駅員さん

今日は10月から始めた起業塾の日で。

新幹線で新大阪駅まで来たのだけど。

10月から毎月1回大阪に通い出して、
今回で4回目だから、
すっかり慣れた気持ちで安心していたら。

新大阪駅の自動改札機に切符を通した時に、
改札機から"ピーッ"と警報が鳴って、
ディスプレイに、

「駅員にご連絡ください」

と表示され通れませんでした。

新幹線の改札
少し驚いたものの、
私は割と落ち着いた気持ちで、
通ることの出来なかった2枚の切符を持って、
駅員さんのところに行きました。

それは以前も同じような状況があったけれど、

切符を見せたらちゃんと通れたという、
過去の経験があったからでした。

私は改札口の横に立っていた、
女性の駅員さんに、
自分の持っていた2枚の切符を渡すと、
駅員さんが確認するのを待っていました。

先月、大阪にきた時と、
全く同じ新幹線にのって、
全く同じ切符を買ったのだから、
通れない訳がないと思っていました。

けれど、その女性駅員さんは、
私を通してはくれませんでした。

「乗車券の切符が足りません」

そういうと、
乗車券の切符を提出するように、
私に促してきました。

私はここで、
ちょっとしたパニックに陥りました。

それは先月、
改札を通れた切符と全く同じものを出して、
"切符が足りない"と言われたからでした。

パニックを起こした私は、

「先月はこれで通れたのに」

と言った後に、

「それはあなたの勘違いじゃないんですか?」

と女性駅員さんに言おうとして、
私は慌てて口をつぐみました。

私は自分のASDの特性から、
自分が正しいと思い込んで人を非難し、
実際は自分が間違っていたという失敗を、
過去何回も繰り返していたからでした。

そんな失敗を繰り返した私が学んだことは…

自分が正しいと主張する前に、
まず相手の意見を受け入れてみる。

というもの。

だから私は今回も、
自分が相手を、
非難しようとした言葉を引っ込めて、
相手のいう通り、
乗車券の切符を、
切符入れの中から探すことにしました。

そうしたら。

入ってました、乗車券の切符。

もう、本当に女性駅員さんに申し訳なくて、
そっと駅員さんの顔を見上げたら、

「大丈夫ですよ」

と、
パニックを起こしていた私を、
落ち着かせてくれる、
優しい笑顔を私に向けてくれました。

私はその笑顔をみてホッとして、

"すみません"

という、
自分を責める謝罪の言葉ではなく、

"ありがとうございます"

という、
相手への感謝の言葉を、
伝えることが出来ました。

私は自分の特性を、
理解していて良かったと、
心から思いました。

もし私が自分の思い込みによる勘違いから、
相手を責めてしまっていたら、
女性駅員さんが私に、
あんなに優しい笑顔を、
向けてはくれなかったと思うし、
私もこんなに感謝して、
素直にお礼を言えなかったと思うから。

ASDの思い込みは、
人と揉める原因になり易いから、
自分で注意することが必要です。

でも、ちゃんと自分で注意出来たら。

同じ出来事でも失敗した出来事ではなくて、

人に感謝した出来事

として、
記憶に残すことが出来ると思うのです。

そして、同じ記憶に残すなら、
こっちの方が断然いいと思います。

ASDの”思い込みが激しい”という特性を、
変えることは出来ないけれど。

起こった出来事を、
感謝する出来事に変えることは、
自分次第で出来るのです。