社会との関わり方

機転を利かせて問題を解決したASD(自閉スペクトラム症)

自信に溢れた女性

先日、部下Cが私に対して、
部下Aに対する苦情を言ってきました。

ちなみに私と部下Aと部下Cの関係は、
序列で並べるとこのようになっています。

係長(私)>主任(部下A)>係(部下C)

部下Aは部下Cの上司にあたるのですが、
部下Aは問題が起きても他人任せで、
自分で解決策を考えようとしないため、
部下達の評判があまりよくありません。

そのため今回の部下Cように、
本来なら部下Aに相談すべき内容を、
聞いてもらえず、
私に部下Aの苦情が来ることが、
度々あります。

先日もそのような流れで、
私は部下Aの代わりに部下Cの悩みを聞き、
その問題にはどう対応すればいいか、
解決策を伝えました。

相談に乗る女性
けれど今日、
私の伝えた解決策通りにせず、
問題をこじらせてしまった部下Cが、
取引相手を怒らせてしまったと、
目を赤くして部下Aに訴えていました。

私はそんな部下Cを見ていて、

「言った通りにしなかったあなたの自業自得だ」

と、
放っておこうかと思ったのですが、
会社に損失を与えることでもあるし、
自分の失敗で、
問題が大きくなってしまった責任を、
自分で負いたくなくて、
部下Aを責め立てる部下Cと、
部下Cの剣幕に押されながら、
対応策が思いつかない部下Aを見ていて、
これではラチが明かないと思い、
仕方なく間に割って入りました。

一端こじらせてしまった、
取引相手の心証を、
少しでも良くして、
取引を続けてもらうために、
私は取引相手の心証を、
悪くした原因を一掃出来る、
唯一の解決策を思いついて、
提案したのですが。

部下Cは業務に対する知識の乏しさから、
私の提案を理解出来ず、
部下Aはそんなことは無理だろう、
と決めつけて、
私の提案を、
受け入れようとはしませんでした。

けれど私は以前、
その取引相手の担当だったことがあり、
私の言う打開策が、
通じるはずだと知っていた為、
なかなか動き出さない2人を尻目に、
自分の言った解決策が、
実現可能であることを証明出来るデータを、
パソコンに検索をかけて、
引っ張り出すことにしました。

すると、
私に問題解決を頼り切っていることが、
まずいと感じた部下Aが、

「すみません、私がやります」

と、
私のパソコン検索を引き継ぎにきたため、
私は後のことは部下Aに任せて、
自分の仕事に戻りました。

私は自分の提案した解決策が、
実現可能であることを知っていたから

パソコンの検索データの結果など、
確認する必要が無かったのです。

案の定、
私からパソコンの検索を引き継いだ部下Aが、

「係長のおっしゃっていたデータがありました」

と、私に報告してきました。

私はそんな部下Aの言葉を当然と受け止めて、

「じゃあ、私がさっきお伝えした、
解決策通りにすれば、
問題は解決しますよね」

と伝えると、
自分の責任問題が解決して、
落ち着いた部下Cと、
部下Cに責め立てられることがなくなり、
解決策が見つかった部下Aは、
ようやく問題解決に向けて、
動き出してくれました。

想像力に乏しく、
決められたことしか出来ないと思われがちな、
ASDの私が、
機転を利かせて問題の解決策を見つけたのです。

こんな風に書いていくと、
私がすごく仕事が出来る人のように、
思われるかもしれませんが、
そんなことはありません。

ASDの私には、
問題解決に至る柔軟な発想力はありませんが、
問題解決に必要な知識を組み合わせて、
解決策を見つけることは出来るのです。

この解決策を見つける方法は、
すごく地道な知識の獲得という、
前作業はあるものの、
一端身につけてしまえば、
一生モノとして使っていくことが出来ます。

応用力の少なさは、
知識量でカバーすることが出来るのです。

そして、
コツコツと地道に知識を集めることは、
ASDの得意分野でもあります。

コツコツ積み上げる努力

だから。

出来ないことに目を向けて嘆く時間を、
得意なことを伸ばす時間に充てること。

そうすれば、きっと。

新しい道が、見えてくると思うのです。