心的外傷/トラウマ

衝撃を受けた考え方

機能不全家族

私には、
とても心に強く残っている記憶があります。

私がとても辛くて苦しくて、
母親に助けを求めた時に、

「それくらい、私だって我慢してきた」

と言って、
母親から放置されてしまったこと。

そんな経験から私の中に、

「自分が苦労したんだから、人も苦労して当たり前」

という考え方が、身についたように思います。

だから、今日、
とっても衝撃を受けたんです。

「自分が苦労したことは、子供にはして欲しくない」

という考え方が、

普通の考えだ

と言われたことに。

その考え方が普通な世界で、
私は生きてはこなかったから。

自分と相手の普通の違いに、
私はとっても衝撃を受けたのだけど、
でも、自分を可哀想だとは、
思いませんでした。

お母さん、
誰にも助けてもらえなくて、
辛かったんだなぁ、
苦しかったんだなぁ、
って思いました。

自分が優しくしてもらえなかったから、
自分と同じような状況の私に、
優しくしてあげるなんて、
考えつかなかったんだろうな、
って思いました。

だって、優しい時には、
本当に優しいお母さんだったから。

子供の頃に、
優しい世界で生きてこなかった私は、
人に優しくする方法が、
あまり身についていなくって。

優しさを表現することも、
今でも見よう見まねだったりするから。

優しい気持ちを持っていても、
優しくする方法が分からない人がいることも、
自分が追い詰められている時には、
人に優しくすることが出来ないことも、
私は知っている。

だから、以前はとても恨んでいた、
お母さんのことを、
今は凪いだ感情で見守ることが出来る。

機能不全家族で、
バラバラになってしまった私の家族が、
普通でないことを私は知っているから。

普通を望んだりは、しないけれど。

ただ、家族という薄い枠組みの中で。

少しでも遠慮がちでも、
お互いを思い遣って、暮らせたらいいと、
ささやかに願うのでした。