セラピー/カウンセリング

ビジョントレーニングの宿題

私は2週間に1回のペースで、
発達障害専門カウンセリングに通っています。
次のカウンセリングまでに
2週間という間が空くので、
私はカウンセラーから宿題を出されます。

ビジョントレーニングを開始した私が、
今回、カウンセラーから出された宿題は、

「すれ違う人がどんな事を考えているか想像する。
その想像が合っているか、合っていないかは、
確認のしようもないし、問うことはしない」

というものでした。

この宿題は、
私が論理・推理の能力が低いため、
その能力を鍛えようとして、
出された宿題のようでした。

これは私の、
田中ビネー知能検査結果なのですが、
私の点数は次のようになっています。

結晶性109点、流動性95点、記憶106点、論理・推理83点、
総合DIQ102点。

全体的には、ほぼ標準の範囲内であるものの、
論理・推理という能力が83点で、
平均下限点数84点を僅かに下回っています。

しかも、
論理・推理能力を計測する出題のうち、
特に数量の推理を計測する問題は、
私は全問不正解の0点だったそうで、
私には、その問題が解ける人は、
どんな天才だろうと思う、
質問のレベルに感じたのですが、
発達障害の傾向の無い人間は、
解くことが出来るそうです。
(各能力の詳細については、こちらをご覧ください)

カウンセラーは、
論理・推理能力の低い私にとって、
この宿題は難しいだろう、
と考えたらしいのですが、
事実と違っていても良いのなら、
発達障害グレーゾーンの為か、
子供の頃から友達がおらず、
いつも1人で空想を巡らして、
遊んでいた私にとって、
知らない相手の事を想像するこ事など、
造作もないことでした。

たとえば、私はこんな光景から、


実は、この女性は、
この男性に恨みを持っていて…
などと空想したりします。
そして、空想はどんどん膨らんでいって、
彼女は彼に復讐する為に、
彼の行きつけの、
この居酒屋でアルバイトを始め、
彼と顔見知りになって親しくなることで、
彼の弱みを握ろうとしている、
などというストーリーが、
頭の中で展開されたりします。

だから、カウンセラーがこの宿題を出した時、

「私、そういうの得意ですよ?」

と私が伝えると、
カウンセラーは訝しげな顔をしました。

論理・推理の能力が低い私が、
そんなはずはない、と思ったようでした。

なので私は、言葉を少し付け加えました。

「子供の頃から、
色んな事を妄想するのが好きだったので」

私がこういうと、
カウンセラーは納得したようで、
宿題をする際の、
注意点を一つ付け加えました。

「想像する際には、相手の表情をみて、
何でそう思ったのか、根拠をつけてください」

この言葉で、
途端に私には難しい宿題になりました。

それは想像ではなく推理だ、と感じたからです。

その行為はまさに、
発達障害グレーゾーンの苦手な、
相手の気持ちを推し量る行為、でした。

でも、宿題として出されたのであれば、
やらない訳にはいきません。

私は朝、職場に徒歩で通勤している為、
その通勤途中ですれ違う人達が、
何を考えているか、
想像を巡らす事にしました。

すれ違う人の気持ちを、
表情をみて想像する、といったやり方だと、
無表情に歩いている人が多く、
何も浮かんでこなかった為、
私はその人達に、
空想で設定をつける事にしました。

たとえば、朝犬の散歩をしている人がいたら、

「この人達の子供は全員独立して、
旦那さんとこの犬との3人暮らしで、
この犬がこの人の生きる支えになっている」

といった具合です。

そんな設定を考えていたら、
以前は何か考えているように思えなかった、
すれ違う人達の表情が、
寂しそうだったり、
楽しそうだったりといった、
自分の設定に合わせた表情に、
見えるようになりました。

宿題のやり方が、
これでいいのか分りませんが、
次回の発達障害専門カウンセリングでは、
このやり方での結果を報告したいと思います。