社会との関わり方

アサーションの難しさ

怒る女性上司

週末に習ってきた、
アサーション・トレーニングを、
職場でも実践しようと、
頑張っていた私なのですが。
(アサーション・トレーニングについてはこちらをご覧ください)

早速、躓く出来事が起こりました。

それは、部下に仕事を説明していた時のこと。

初めてやる仕事で悩んでいる部下から、
相談を受けて、

「じゃあ、こうしたらいいよ」

とアドバイスをしたところ、部下から、

「なぜ、そうしなければいけないのか分からない」

と言われてしまいました。

最初は私も、
理解出来ないと言ってきた部下のために、
事細かに何度か説明を繰り返したのですが、
部下がある一点のところだけ、
自分の考えに固執してしまったため、
私がどんなに理由を説明しても、
受け入れようとしませんでした。

それはその業務に精通していなければ、
理解出来ない内容だったため、
彼女が私の考えが理解出来ないというのなら、
彼女の上司である私が、
彼女がその仕事をする時に、
フォローすればいいと考えて、
私は彼女にこう言いました。

「あなたがその方法がいいと思うなら、
そうすればいいでしょう。
ただ、その書類を私に回す時には、
私が必要だという書類も、
一緒に提出してくださいね」

それは、いくら説明しても、
彼女には理解出来ないと感じた私が、
彼女に出した妥協案でした。

アサーティブなコミュニケーションでは、自分の意見を通すことを目的としていないため、
意見が合わなかった時は、お互いの妥協点を模索します。

けれど、
彼女は私の言葉に食い下がってきました。

「いいえ、私は係長(私のこと)が何故、
そのように指示されたのか理解したいのです」

私は彼女の言葉にイラッとして、
怒りで手が震えてしまいました。

それは、
自分が出来るだけの説明はしてあげて、
それでも、
彼女に理解するだけの知識がなかったから、
妥協案を出したのに、
自分の仕事に対する知識が、
少ないことも自覚せず、
自分の考えには固執したままで、
自分を納得させる説明をして欲しい、
という彼女の態度が、
とても横暴に思えたからでした。

私は怒りに震える口調で、
彼女にこう言いました。

「あのね、これって、
議論するような仕事じゃないんですよ。
あなたがやりたいと言っている方法で、
ちゃんとやれるんだったら、
その方法でやっていいんです。
ただ、私はあなたの考え方では、
不備があると思うので、
あなたが自分の考えでその仕事を進めるなら、
私は私のやり方で確認する、
と言ってるだけの話なんです!!」

その後、結局彼女は、
私のアドバイスどおりに仕事を進めたのですが、
私は不快な思いがしてたまりませんでした。

きっと彼女も、
私のアドバイスを理解できないまま、
納得いかない仕事をして、
気持ちよくは無かったでしょう。

この話し合いでは、
お互い率直に話すことは出来ましたが、
私は攻撃的になってしまい、
相手は、
ノン・アサーティブ(自己表現をしない態度)に、
なってしまいました。

これでは、
アサーティブ(自他尊重のコミュニケーション)、
ではありません。

私のアサーティブな態度の課題は、
自分の考えが伝わらない相手に対して、
すぐにイラッとしてしまうこと。

そんな自分の問題点を感じたとともに。

ASDの自分も、
自分の考えに固執して、
自分が納得出来ない限り動かない、
という習性があり、
それが相手をどんなに苛つかせるか、
身をもって理解出来たため。

我が身を戒めることになった、
日常でのアサーション実践の出来事でした。