社会との関わり方

アサーション成功!

会議

4月に転勤してきた部下Aは、
部下の髪型が変わった事に気付くとか、
具合が悪くて休んでいた部下の、
体調への気遣いなどは出来るのですが、
仕事の内容で相手を気遣うことが出来ません。

だから、
帰ろうとしている私を引き止めておいて、
平気で先に帰ることが出来るし、
自分の仕事の手際が悪くて、
業務が遅れているのに、
悪びれもせず、
平気で私に残業することを要求してきます。

私は、彼女に対して、
色々な不満はありましたが、
何よりもまず、彼女の仕事が遅いが故に、
私が残業して、
彼女の書類を点検しているにもかかわらず、
自分は私に書類を回したら、
私の点検の結果を確認もせず帰る、
という態度に、
一番腹が立っていました。

つい昨日も、定時前30分に大量の書類を、

「今日中に点検していただく分です」

と私のところに持ってきて、
私がどんなに急いで点検しても間に合わず、
結局残業しながら点検していたら、

「お先に失礼します」

と言って帰った時に、
私は彼女の、
あまりの気遣いのなさと厚かましさに、
驚きと怒りで、
言葉を発することが出来ませんでした。

この怒りは彼女に伝えよう。

私は昨日、そう決意しました。

折しも今日、
私以下の部下を集めた、
ミーティングが開かれる予定だったため、
私はその席で、

「その日に点検を受けなければいけない書類は、
ちゃんと就業時間中に、
点検が終わるように回してください」

と言おうと、心に決めたのでした。

そのミーティングの場を選んだのは、
2人きりの時に部下Aに話をした場合、
部下Aが他の社員に対して、
事実と違うことを吹聴して回ることを、
危惧したからでした。

私は、22年という長い会社勤めの中で、

人は真実を信じるのではなく、
誰が言ったかによって信じる内容を決める

ことを、
よく知っていました。

仕事の真面目さには定評があるけれども、
ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、
職場の人とあまり交流が無い私は、
仕事は雑で信用されていないけれど、
人の輪の中に自分から入っていって、
楽しく会話が出来る、
定型発達者の部下Aとトラブルになった場合、
人は接触の多い人に、
好意を持つ傾向があるため、
部下Aの方が、
味方になってくれる人間が多いだろうと、
感じていました。

だから部下Aと揉めた時に、
彼女が事実を、
自分の都合のいいように曲解して、
周囲の人達に伝えないように、
敢えて他にも人がいる場所で発言しよう、
と思ったのでした。

その決意が重かったせいでしょうか。

私は昨日の夜、

「明日はこんな風に部下Aに対して自分の気持ちを言おう」

などと考えをまとめながら眠ったのですが、
考えている最中に興奮してきたのか、
心臓がドクドク言ってきて、
私はようやく眠ることが出来たものの、
眠りが浅く、
今朝の5時前には目が覚めてしまいました。

先日ひいた風邪がまだ治っていなかったため、
出来ることならもう少し体を休めたいと、
二度寝を試みたのですが上手くいかず、
結局私はそのまま起き出して、
部下Aに、
アサーティブに気持ちを伝える言葉を、
色々と考え始めました。

アサーティブって何?と思われる方は、こちらをご覧ください。

最初は風邪で喉が痛かったため、
頭の中だけで、
アサーティブに意見を言う場面を、
想像していたのですが、
そのうち気持ちが高まってきて、
私は声を出しながら、
あたかも本当にミーティングで、
部下Aを前にしているかのように、
自分の気持ちと考えを、
訴えるようになっていました。

これは単に、眠れなかった為に、
やっただけだったのですが、
イメージトレーニングとして、
十分な効果を発揮し、
私は今日のミーティングで、
自分の気持ちを、
きちんと部下Aに伝えることが出来ました。

そして行動が伴うかは分からないけれども、
部下Aから、

「分かりました。次からそのようにします」

という言葉を引き出すことが出来、
私のアサーションは、
成功裡に終わることが出来ました。

一緒にミーティングに出ていた他の部下から、

「Aさんの行動はおかしいですよね」

と賛同してもらい、
さらに嬉しい気持ちになりました。

怒りに任せて、
相手に言葉をぶつけるのではなく、
冷静に自分の言いたい事を伝えられたことで、
部下Aも感情的にならずに、
私の言葉を受け取ってくれたように思います。

風邪で弱っていたために、
言葉にチカラが無かったのも、
かえって良かったのかもしれません。

アサーティブな自分になるスモールステップ。

ちょっとは踏み出せたみたいです。