幸せになる方法

魔法なんてないよ

虚構と現実

「魔法なんてないよ」

これは、何か困難なことがあった時に、

「あのスキルさえ手に入れれば幸せになれる」

と思ってしまう自分に、
私が戒めとして使っている言葉。

今日も職場で言いたいことが言えなくて、
ストレスを抱え込んでしまった時に、

「週末にアサーショントレーニングを受けるから、
そのスキルさえ手に入れれば幸せになれる」

とうっかり考えてしまった自分に気づいて、
慌てて自分へ言った言葉。

人間関係の持ち方には、
大きく分けて3つのタイプがあるそうです。

  1.  自分より他者を優先し、自分のことを後回しにするタイプ
  2.  自分のことだけ考えて他者を踏みにじるタイプ
  3.  1と2の黄金率ともいえる在り方の、自分のことをまず考えるが他者にも配慮するタイプ

(平木典子著 アサーション・トレーニングより抜粋)

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3.のタイプをアサーションといい、
私が人と関わる時の理想の在り方なのですが、
愛着障害とASD(自閉スペクトラム症)を、
持っている私は、
愛着障害が強く出ている時には、
1.の言動を取りやすく、
ASDが強く出ている時には、
無意識に、
2.の言動をとってしまいがちで、
なかなか3.の、
黄金率の人間になることが出来ず、
私は人間関係でストレスを抱え込んだり、
ある一定の性質を持っている人達(職場のお局様)から、
嫌われてしまう、
という状況を繰り返していました。

そんな状況を改善するために、
私は今週末に2日間かけて行われる、
アサーショントレーニングを、
受けることにしたのですが、
それは、その名前のとおり、
トレーニングして身につけていくものであり、
2日間学んだからといって、
次の日から自分の人間関係が劇的に良くなる、
といった類のものではありません。

そんなことは、
最初から分かっているはずなのに、
私は辛かったり、
苦しかったりすることがあると、
その現実から逃避するために、

「このスキルさえ手に入れれば幸せになれる」

と考えてしまいがちになるのでした。

でも、どんなに人間関係改善に役に立つ、
アサーションというスキルを、
私が学んだとしても。

そのスキルを日常生活に使えるように、
私が訓練しなければ、
それは何の役にも立ちません。

そして何より。

そのアサーションという、
スキルを訓練するためには、
私は今まで、
言いたい言葉を飲み込んでいた相手に対して、

「自分の思いを伝える」

という、
すごく当たり前のことをする勇気を、
出さなければならないのです。

その勇気は、何かのスキルとは違い、
誰かが与えてくれるものではありません。

自分で、自分の中から、
振り絞らなければならないものです。

だから私は、
つい現実から逃げ出そうとする、
自分に向かって、
何度もこんな声をかけます。

「魔法なんてないよ」

そう思うと、
甘い妄想に浸ろうとしていた、
自分がちゃんと現実に帰ってこれて、

「頑張ろう」

という気になります。

一瞬で幸せになれる、
魔法なんてないけれど。

少しの勇気を振り絞り、
小さな努力をコツコツと積み上げれば、
自分を幸せにすることは、
きっと出来ると思うのです。