社会との関わり方

職場で出来たアサーション

職場で話す女性達

私と部下Aの職場での机の配置は、
隣り合っていて、
そしてお互い窓を背にして座っています。

そのため、時間によっては、
仕事で使っているパソコンの画面に、
太陽の光が当たって、
とても見にくい場合があります。

私は眩しいのが苦手なため、
自分の後ろにある窓については、
掛かっているブラインドでかなり遮光して、
パソコンの画面に光が当たるのを、
極力抑えているのですが、
部下Aは眩しい光が大丈夫なのか、
ブラインドの隙間を広く開けて、
外の光が、
たくさん入ってくるようにしています。

↓【私の後ろの窓のイメージ】
光を閉ざしたブラインド
↓【部下Aの後ろの窓のイメージ】
光が差し込むブラインド

今まではそれでも、
私のパソコンの画面に、
影響は無かったのですが、
冬になってだんだん日が落ちてきたからか、
ある時間になると、
私の使っているパソコンの画面に、
部下Aの後ろの窓から入ってくる、
外からの眩しい光が、
とても当たるようになってきました。

最初は我慢していた私でしたが、
どうしても眩しい光に神経がイライラして、
仕事に集中することが、
出来なくなってしまいました。

それでも自己肯定感が低く、
人と言い争うことが苦手な私は、

「ブラインドから入る光をもっと暗くしてくれませんか?」

と部下Aに申し出て、
凄く嫌がられたらどうしようと思うと、
気遅れして、
たったそれだけの言葉が言いだせなくて、
私は最初、
自分の持っていた書類で壁を作って、
部下Aの後ろの窓から入ってくる光を、
遮っていました。

嫌なことは自分1人の力で回避する。

これが今までの私の、
行動パターンだったのですが。

でも今回、
しばらくしてから私は気付いたのです。

「無言で嫌がっている態度を取る方が、
よっぽど相手の気分を悪くしているんじゃないか?」

って。

私のこの態度に、
相手に対する悪意は全くありません。

でも、これはには多分、
ASD(自閉スペクトラム症)の特性が、
絡んでいるのではないかと思うのですが。

私は過去に、
相手を気遣ってとった言動が、
悪い方に受け取られてしまい、
かえって相手に嫌われてしまうという状況を、
たびたび繰り返していました。

なので今回は思い切って、
部下Aに対し、
ブラインドの光をもう少し遮ってくれるよう、
お願いすることにしたのです。

これは人によっては、
何も考えずに、
出来てしまうことかもしれませんが、
幼少期から自分を否定されてきて、
普通になれない自分に、
劣等感を持って育ってきた私にとって、
自分の意見を相手に主張するということは、
とても勇気のいる行動でした。

そのため私はこの時も、
アサーション・トレーニングで学んだ
心構えと言葉遣いを、
自分に言い聞かせて部下Aに話しかけました。

アサーションとは"自分も他人も大切にする"という態度のことです。

「ごめんなさい、とても眩しいので、
ブラインドをもう少し暗くしてもらえませんか?」

相手を責めるのではなく、
自分を被害者に仕立てあげるのではなく、
ただ自分の気持ちを、
相手に伝えることに徹しました。

そうしたら。

あんなに意を決して話しかけた部下Aは、

「あぁ、すみません。私も時々眩しいことがあるんですよ」

などと言いながら、
アッサリとブラインドの光を、
私に負担にならないくらいまで、
暗くしてくれました。

私は勇気を出して、
お願いして良かったなぁ、と、
ホッとして自然に笑顔になりました。

そして、
私の意見を受け入れてくれた部下Aのことが、
ちょっと好きになりました。

自分の意見を相手にちゃんと伝えること、
その意見が相手に受け入れられること、
それだけで、
こんなに嬉しい気持ちになるんだと、
気付けた今日のアサーション。

今でもやっぱり、
人と関わるのが苦手な私は、
人から自分が、
否定されるのが怖い気持ちはあるけれど、
コミュニケーションが取れた時の嬉しさも、
こうやって知ることが出来たから、
これからもっと、
アサーティブ(自他尊重)に、
人と関わっていけるように、
小さな成功を積み上げていこうと思います。