回想録

私が実の父親から受けた"私は幸せになってはいけない"という呪いを解けた理由.4

胎児のいるお腹

私はほぼ騙されたような形で、
自分を助けてくれた男性の実家にある、

物置の2階を私の部屋としてあてがわれ、

そこで暮らすことになりました。

その男性の実家は、
両親共に小学校の先生をしていて、
とても忙しいということで、
家の中はゴミで溢れ返っていて、
台所で料理をしていて、
空き瓶や空き缶が発生したら、
台所の勝手口に投げ捨てるような生活を、
していました。

そのような家庭だったため、
母屋の玄関から、
8メートルほど離れた位置に建てられていた、
自分の部屋のある物置に行くためには、
やはり庭に投げ捨てられていた、
空き缶や空き瓶を避けながら、
足元に注意して歩かなければなりませんでした。

ゴミ屋敷

(こんな感じの庭を通って、自分に当てがわれた物置まで歩いていました)

私を騙して自分の実家に連れてきたその男性は、

「この散らかった物置の2階を、
じゅんのために片付けるのは大変だったんだぞ」

と、
とても自慢げに私に言いましたが、
その男性の兄嫁は、
義実家に遊びにきて私の待遇を見た時に、

「この家の物置に住んでるの?!」

と驚き、
憐むような目で私のことを見ていました。

私は本当に自分の立場が惨めでたまりませんでした。

私はこの家から逃げ出そうと考えましたが、
人の言葉をそのまま信じるASDの特性が、
ここで私の行動を邪魔しました。

私が逃げ出そうとしている気配を察した、
その男性が言った、

「お前がここらか出て行けると思うなよ。
俺が一言声をかければ、
お前をこの島から出さないことなんて訳ないんだ」

という言葉を、
そのまま信じてしまったのです。

その男性の実家は島で、
橋で九州本土と繋がっていて、
その橋を渡らなければ、
島から出ていくことは出来ませんでした。

今にして思えば、
その男性にそんな力など無いと分かるのですが、
まだ19歳で人生経験が少なく、
ASDの特性の表出が激しかった私は、

彼がその橋の管理人と知り合いで、
自分の言うことを聞いてくれるから、
私を橋から通さないでくれと言えば、
私は橋を渡ることが出来ないという言葉を、
そのまま信じてしまったのでした。

私を自分の実家に閉じ込めることに、
成功したその男性は、
毎晩のように私に性行為を強要し、
それは私に38度5分の熱があり、
布団から起き上がることが困難な時でさえ、
やめられることはありませんでした。

そんな男性に対して私は、

「自分は機能不全家族の中で虐待を受けて育ったため、
子供に対して家庭の愛情など与えてあげられるとは思えないから、
子供だけはつくらないで欲しい」

と訴えましたが、

その男性は私が自分から逃げ出さないように、
無理矢理、私を妊娠させました。

初めは自分の妊娠に対し、
自殺を考えるほど絶望しましたが、

「自分が欲しかったHOME(家庭)を、
これからこの子と一緒に、
自分の手でつくっていこう」

と捉え直し、
幸せな家庭を築くために、
自分なりに努力をしました。

生まれてくる子供を、
物置の2階という不衛生な場所に、
住まわせるのは可哀想だからと、

「家を借りてくれなければ病院には行かない」

とその男性に宣言しました。

その男性は私の体が心配だといい、

「そのうち必ずアパートを借りるから病院を受診して」

と、
泣いて私にお願いしてきましたが、
今までの彼の言動を見てきた私は、
ここで彼の言うことを聞いてしまっては、
決して私と子供が安心して住める、
場所を与えてはくれないと感じたので、
本当に彼がアパートを借りてくれるまで、
決して病院には行きませんでした。

結局、
私の体が心配だと泣いていた、
実家に帰ってから会社勤めをしていて、
毎月25万円ほどの、
安定した収入があったその男性が、
本当にアパートを借りてくれたのは、
すでに私のお腹がまるまると張り出していた、
妊娠発覚から、
6ヶ月ほど経過した後のことでした。

胎児のいるお腹

それまで、その男性は、自分の給料ではアパートなど借りられないと、ずっと私に言い続けていました。

自分の生命をかけてようやく手に入れた、
私と子供の居場所(アパート)でしたが、
私が里帰り出産している間に、
愛人を作っていたその男性が、
私と生後1ヶ月の子供が暮らしているそのアパートに、

「こいつを泊めてやってくれ」

と、
愛人を連れてきた夜から、
また私が安心して居られる場所は無くなりました。

その後の、
その男性の私と子供への言動や、
私が陥った状況については、
よろしければこちらをご覧ください。

実の父親から性的な行為をされていた時期と、
この男性がアパートに愛人を連れてきた後の時期が、
私の人生で一番底辺だと感じた時期でした。

けれど、
自分が守ってあげなければいけない子供がいた分、
精神的ストレスは愛人を連れてきた後の方が、
大きかったように思います。

私は自分の人生で、
何度も人から自分の自尊心も尊厳も存在も、
踏みにじられる行為を受けました。

そして、ここまできてようやく、
私は思ったのです。

私は人から、
このような仕打ちを受けなければならないほど、
酷い人間なのだろうか?

あと1回、
私が実の父親から受けた"私は幸せになってはいけない"という呪いを解けた理由.5
に続きます。