発達障害(ASD)グレーゾーン

ASD(自閉スペクトラム症)が人の意見を受け入れられる時

意見の対立

私は2週間ほど前に、
10ヶ月ぶりに精神科を受診して、
精神科医師にお願いごとをしたのですが、
一端は引き受けてくれるように見えた、
私のお願いは、
やはり引き受けるのは難しいと、
先日電話がありました。

私はその電話を受けて、
もっと落胆すると思っていたのですが、
意外に平静で、

「分かりました」

とごねることなく素直に言って、
電話を切ることが出来ました。

そして、
そんな自分を不思議に思いました。

「10ヶ月間、お願いしようかずっと悩んでいた時には、
あんなに心の中がぐずぐずしていたのに、
精神科医師から断られた今は、
どうしてこんなに心がスッキリしているのだろう?」

そんな自分の心を、
よくよく観察してみると。

私に電話をかけてきてくれたのは、
私に心理検査を実施した、
臨床心理士さんだったのですが。

私のお願いごとは心理検査に関係していたため、私からお願いされた精神科医師ではなく、心理検査を担当した臨床心理士さんが、連絡してくださったようでした。

臨床心理士さんは、
私がお願いした内容を徹底的に調べて、
それが私にとって役に立つことか、
精神科医師と話し合って、
デメリットがあると考えて、
出した結論だと教えてくれたからだ、
と分かりました。

デメリットの説明

臨床心理士さんは、
私のお願いを引き受けることは難しい、
という結論に、
どのような流れで達したか、
5分以上の時間をかけて、
とても丁寧に説明してくれました。

私の質問に対しても、
きちんと傾聴して答えてくれました。

そこで、私は思ったのです。

私が頑張ってしたお願いは、
大切に扱ってもらえた

のだ、と。

そして、私の心はそう思った時に、

満足したのです。

そうしたら、
自分1人で10ヶ月も考え続けていたことが、
臨床心理士さんと精神科医師の結論のとおり、

自分にとってデメリットのあること

だったと受け入れることが出来て、
だから私は、
自分の考えのデメリットを教えてくれた、
臨床心理士さんと精神科医師に対して、
感謝の気持ちを持って、
その応えを受け入れることが出来たのでした。

私は昨日の記事で、

「ASDは自分のこだわりを捨てられない」

と書いたけれど、
それは自分が納得がいかない、
"普通""一般的"といった、

自分が認めていない尺度

での理解を押し付けられた場合であり、

自分が納得出来たのなら、
そのこだわりは手放すことが出来ます。

これは私自身についてのことであり、
一人ひとり個性の違うASD全員に、
当てはまるわけではありません。

けれど、私が子供の頃から、
大抵の大人は、
最初は丁寧に話して、
教えてくれていたとしても、
なかなか納得せずに、
疑問や質問をし続ける私に対し、
最終的には、

「屁理屈ばっかり言うな!!」

と怒り出したため、
私はいつも釈然とせずに黙り込むしかなく、
そのため自分のこだわりを手放すことも、
出来なかったのでした。

でも、私に電話をくれた、
臨床心理士さんは違いました。

根気強く丁寧に、
私が納得するまで話をしてくれたのです。

そのため、

私はその臨床心理士さんを信じ、
その言葉を受け入れられたのでした。

これは子供の頃、
自分の親に相手にしてもらえなかった、
愛着障害も絡んでいるかもしれません。

それでも、
大人になって就職しても、
私に仕事を教えてくれた先輩達から、
知らないことを何でも質問してくるからと、

「どちて坊や」

とあだ名を付けられた私には、
自分のこだわりを手放すに足る、
出来事だったのです。

どちて坊やは一休さんという昔のアニメに出てくる、
質問ばかりして周囲に嫌がられてしまう男の子です。

一休さん 第127話 「どちて坊やとてるてる坊主」
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頑張った願いは叶わなかったけれど。

私は臨床心理士さんの電話から、

頑張ることが出来た自信と、
大切にしてもらえた自己肯定感を、
得ることが出来たのでした。