社会との関わり方

ASDのトリセツ〜自分と周囲の考え方が相違した時の対応方法

諦めた女性

今日、部下Aが回してきた、
部下Cが作成した書類で。

「このやり方は社則(会社が定めた業務処理のルール)と違うだろう!!」

と思う書類が回ってきて、
私はその書類を、

「おかしいので返します。
社則をちゃんと確認してください」

と言って、
部下Aに返したのですが。

部下Aはよその支社でも、
そのやり方をやっていたといい、
私と部下Aのやり取りを、
遠くの自分の机で聞いていた部下Cも、

「私も係長(私)のやり方の方がおかしいと思います」

と言ってきて。

「社則にちゃんと書いてあるのに何言ってるんだ!!」

と、
とても腹が立ってしまったのですが。

怒りに任せて態度を荒げてしまったら、
相手を感情的にさせてしまい、
仕事が進めづらくなることを、
体験から知っている私は、
こんな時、
自分の心を落ち着けるために、
自分の両手をギュッと握りしめて、

深呼吸すること

を心がけています。

深呼吸する女性

今日も両手を握って深呼吸することで、
自分の心を落ち着けた私は、

自分がASDの特性により、
物事を四角四面に考える傾向があることから、
自分の考え方が間違っているのかもしれない

と思い、
部下Aに対して、

「なぜ社則と違うことをしていいのか?」

を尋ねてみました。

すると部下Aは、

「ずっとそうやってきたからしただけで、
やっていいという理由はありません」

という、

決められたことを正しく行いたい、
ASDの私には、
全く理解出来ない返事をしてきました。

けれど私は職場で今まで、

慣習が規則に優先される

場面を、何度も見てきました。

だから私は、
周囲の人達にリサーチして、
自分以外誰も、
その社則を守っていないことを確認すると、
九州支社の担当者へ、
この慣習の是非を電話で問いかけました。

九州支社の担当者は、

「社則通りにやっていたら間に合わないから、
"この場合は"社則通りにしなくてもいいよ」

と返答してきました。

その返答を聞いて私は、

「私は社則通りに業務を進めて、間に合ってきましたよ」

と言いたい気持ちをグッと堪えて、

「分かりました」

と言って電話を切りました。

私はこのように、
場合によって正しさを捻じ曲げる、
曖昧な指示がとても苦手です。

それでもこの場合、
いくら正しさを私が主張しても、
周囲の人間全員が、

「今までやっていた」

という慣習を支持してしまったら、
私の方が間違っているとして扱われることも、
過去の経験からよく知っています。

だから私は、
納得出来ないこのような指示を受けた時、
どうしても譲れないと思う時以外、

納得するのを放棄することで、
周囲と争わないようにしています。

そして、こう考えるのです。

私は定型発達者の中で生きているのだから、
定型発達者の定めたルールに従おう。

諦めた女性
それが生きるために、
社則よりも大切な、
守らなければいけないルール。

人と違う発想をするASDにとって、
自分と周囲の考え方が違うことは、
たびたび起こる出来事だけれど。

私はこうやって折り合いを付けることで、
周囲とのトラブルを、
避けるようにしています。